コラム法を習得する〜バランスのよい考え方をしよう

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リワーク(復職支援)での学び

こんにちは、ヒョーかるです。私は福祉業界で適応障害や休職、復職を経験して、これは飄々と軽々と生きていけるんじゃないか?と学んだことや思ったことをコツコツお届けしたいと思います。

今回は前回の「認知再構成法」

を行うのに役立つコラム法について書きたいと思います。

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目的・方法

目的

  • バランスのよい考え方をする
  • マイナス思考の悪循環を断ち切る
  • 「マイナス思考をプラス思考に変える」のではない

方法

  • コラム法に記入していく

コラム法の手順

「こころが晴れるノート」大野裕 創元社より参照の手順に沿って行います。

Amazonの紹介ページより画像引用
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状況

●気持ちが動揺したり、つらくなったり、不適応な行動をしたりしたときの状況を書き込む

●なるべく具体的に記入する(情景がありありと浮かぶくらいに)

●特定の時間

●5W1Hで書き込むと良い
「それはどこで起こったのか?」
「そこには何があったのか?」
「どこにはほかにどのような人がいたのか?」
「そこで何が起こったのか?」
「誰がどのようなことを言ったのか?」
「それはどのような時間的順序で進んでいったのか?」

*自分のストレスを減らすため、考えのパターンをたくさん持っていること。

感情

●気分や感情を書き込む

●「考え」と「気分」を区別する
 →気分:ひとつの言葉で表現できるもの(本能的に出てくるもの)
 →考え:文章になって浮かんでくるもの

●気分(感情)の後に、その気分の強さを100段階で書き込む
 →これまでで一番強い気分の状態を100%とする

気分の例

憂うつ不安怒り罪悪感
悲しい困惑興奮
おびえいらだち心配誇り
無我夢中パニック不満神経質
うんざり傷ついた快い失望
激怒怖い楽しい愛情
侮辱された腹が立つ後ろめたい恥ずかしい

自動思考(自動思考のチェックをする)

●気分(感情)を体験した瞬間に浮かんでいた考えイメージ

●できるだけ逐語的(一つ一つ書くこと)に書き出す
(例:こんなところで~~するなんて)

●主語を入れると、考え方を具体的に考えることができる

●疑問形より、能動的で言い切り形にしたほうがよい
 →認知の偏りが明らかになりやすい
 ✖️「どうして自分ばかり仕事を押し付けられるのか?」疑問形にすると次に進めない
 ○「上司は私ばかりに仕事を押し付ける」

●ホットな思考(もっとも心を動かした考え)に◎をつける

●その考えをどの程度確信していたかを100%で書き込む
 →完全に信じている場合:100%
 →まったく信じていない:0%

こんな時どうする?ワーク:気分、自動思考

1、仕事でミス

Bさんは新しい職場に移ってしばらく経ってから、これまでなじみのない仕事を任されました。わからないことが出てきて周りの人に聞こうと思うのですが、みんな忙しそうにしているのでつい聞きそびれてしまいました。


2、夫が相談にのってくれない

Cさんは子どものことで夫に相談したいと考えています。小学校2年生の子どもが勉強しないでゲームばかりしています。そのことで夫に相談したところ、夫は関心がないようなそぶりで「ほっといていいんじゃないの」と言って、テレビから目を離そうとしません。

どんな気持ちになるでしょう?

どんな考えが浮かんでくるでしょうか?

コラム表に書き込んでみましょう。

自動思考をチェックする

●特徴的な認知のゆがみ

こちらでも書いています

  1. 根拠のない決めつけ(非合理)
  2. 白黒思考
  3. 部分的焦点づけ
  4. 過大評価・過小評価
  5. べき思考(信念的)
  6. 極端な一般化
  7. 自己関連付け
  8. 情緒的な理由づけ
  9. 自分で実現してしまう予言
自動思考の内容:ひとつの可能性、推測

*結構自動思考ってエゲつないことを思っている。「こんなこと思っているなんて…」と感情に蓋をすると次の根拠へ進めなくなり終わってしまう。

*余裕のある時に訓練しておくと、日常でパッとできるようになる。

*自動思考を書き換えることが目的なので、分類をきっちりすることが目的じゃない。

根拠のない決めつけ

証拠が少ないままに思いつきを信じ込むこと。

例:はじめて手がけた仕事がうまく進まないときに、この仕事はうまく行かないだろうとすぐに決めつけてしまうこと。

白黒思考

灰色(あいまいな状態)に耐えられず、ものごとを全て白か黒かという極端な考え方でわりきろうとすること。

例:なんでも完全にできていないと気になってしまいます。

部分的焦点づけ

自分が着目していることだけに目を向け、短絡的に結論づけること。

例:ある人に苦手意識を持っていると、行き会ったときに挨拶をされなかったという事実に目が向いて、やはり嫌われていると考えてしまいます。

過大評価・過小評価

自分が関心のあることは拡大してとらえ、反対に自分の考えや予測にあわない部分はことさらに小さく見ることもあります。

例:対人交渉が下手だと思っているために、上手に交渉できなかったときのことばかり思い出して、うまくいったときのことは忘れてしまう。

べき思考

「こうすべきだ」「あのようにすべきではなかった」と過去のことをあれこれ思い出して悔やんだり、自分の行動を自分で制限して自分を責めること。

例:家事が十分にできない自分を見て「主婦なら家事を完璧にするべきだ」と責めます。

極端な一般化

少数の事実を取り上げ、すべてのことが同様の結果になるだろうと結論づけてしまう。

例:ひとつのあるプロジェクトが思ったように進まないときに、過去の失敗を思い出して、自分はいつも失敗すると考えます。

自己関連づけ

何か悪いことが起きると、自分のせいで起こったのだと自分を責めてしまう。

例:子どもが学校で問題を起こして担任から注意を受けたときに、すべて自分の育て方が悪かったんだと自分を責めます。

情緒的な理由づけ

そのときの自分の感情に基づいて、現実を判断してしまう。

例:新しい仕事についたときに不安を感じると、「はじめてでよくわからないから不安なんだ」とは思わずに「こんなに不安なんだから、自分にはできないほど難しい仕事に違いない」と思い込んでしまうのです。

自分で実現してしまう予言

自分で否定的予測を立てて自分の行動を制限してしまい、自分の行動を制限するものだから、予測どおり失敗してしまう。その結果、否定的な予測をますます信じ込み、悪循環に陥ってしまう。

例:人前で話そうとすると声が震えるのではないかと心配しているために、いざ実際に人前で話すことになると、失敗することばかり考えて意識過剰になり声が震えてしまって、結局やはりそうだったと考えます。



こんな時どうする?ワーク:自動思考のチェック

●Cさんの自動思考をチェックする

1、少しぐらい相談に乗ってくれても良いのに、無視することはないんじゃないか。

2、こんな人と結婚するんじゃなかった。

3、この子は大きくなってからどうなるんだろう。社会人としてきちんとやっていけないんじゃないか。

それぞれの自動思考は、どの認知に当てはまるでしょうか?複数の認知のゆがみに当てはまることもあります。

Amazonの紹介ページより画像引用
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根拠

●自動思考を裏付ける事実を書き出す
→事実だけ
✖️相手の心の中を読むような勝手な思い込み
✖️事実の解釈
例:実際仕事が遅れていた。実際この仕事はうまくいかなかった。

反証(ここが大事)

●自動思考と矛盾する事実を探し出して書き出す(他に考える余地はないか?)

  • 見逃していることはないでしょうか?
  • 他の人が同じような考え方をしていたら、あなたはどのように言ってあげるでしょうか?
  • 元気なときなら違った考え方をしていないでしょうか?
  • 5年後、10年後に同じ体験をしたとすれば、どのように考えるでしょうか?
  • これまでに同じような体験をしたことはありませんか?もしあったとすれば、それの時にはどのような結果になったでしょう?そのときの体験で、いま応用可能なものはないでしょうか?
  • 自分の力だけではどうしようもない事柄について自分を責めてはいないでしょうか?
*「でもさ~」と思っても白黒つけず、色々な見方を考えられるようになると楽になる。
「これもあるし」「あれもあるな~!」と考える。ストレスを下げることが目的

適応的思考

●自動思考に代わる柔軟で現実的な考え方を書き込む
→「根拠」と「反証」を利用する。
→「根拠」が自動思考に完全に矛盾する場合には、その根拠が基づいた新しい見方を書く
→「根拠」・「反証」が部分的に自動思考を裏付ける場合には、両方を要約し、よりバランスのとれた見方を書く(これが一番多い)

●ばかばかしいと思えるようなものも書き出しておく
→ストレス状況では視野が狭くなっていて、後で見直すと役に立つ考えも、意味がないと判断してしまう危険性がある

●新しい考えをどのくらい信じているか、100段階で評価する

*自分で「言われてみるとそうだなぁ」と思えることが大事

*ドタキャンも前日にあり得る!という見方もあり。

こんな時どうする?ワーク:根拠、反証、適応的思考

●Bさん、Cさんの例で「根拠」「反証」「適応的思考」を書き出してみましょう。

→始めに「根拠」と「反証」を書き出す

→次に「適応的思考」を書き出す

*「適応的思考」は現実的か突き詰めることではない
*うまくいっている時は「本当に?」と真実は突き詰めない
*真実は突き詰めなくても良い場合もある
*真実を求めることが全て大事ではない
*認知再構成法は、環境などで培ったものを変えるものではない。根本を善い人に変えるのではない。「書き換えること」が大切!

心の変化(今の気分レベル)

●書き方を変えてみて、感情や気持ちがどのように変化したかを書き込む

→気持ちが楽になっている場合
・新しい考え方や役になったことがわかる
・そうした考え方をこれからもしていけばよい

→あまり変化が見られない場合
・別の考え方や見方ができないかと考えてみることができる

気持ちに変化が見られないとき

●以下の問い直しをしてみる

  • 状況をはっきりと書き出せていますか?
  • そのときに感じた気分に気づいていますか?
  • 変えようとしている考えは、気分に強く影響している「ホットな」思考に間違いありませんか?
  • 書いてあるよりも、もっと強い感情に結びつく思考はありませんか?
  • 問題の自動思考と矛盾する根拠は。すべて挙げられているでしょうか?「新しい考え」を書く前には、「反証」欄にいくつか根拠が上がっていないといけません
  • 「新しい考え」は信じられるものですか?
●チェックしても気持ちが変わらないとき…
→行動を通して問題を解決することを考える

最後に

次回は実際、私が書いた内容を例にお伝えしてみようと思います。臨床心理士さんより「コラム法は小さな出来事から始める方がいいのよ」とのことです。私の例が参考になればと思います。

この記事が何かのお役に立てたら幸いです。また次の記事でお会いしましょう。

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