こんにちは、ヒョーかるです。私は福祉業界で適応障害や休職、復職を経験しています。飄々と軽々と過ごせるような適応障害との暮らし方や気づきをお届けします。
今回は「傷つきやすいのに刺激を求める人たち」トレイシー・クーパー著を読んで、これは適応障害の特徴に関係してないかなと思ったことを書いていきたいと思います。
刺激を求める人たちとは?
刺激追求型と言う特異な特性
- スリルと冒険の追求
- 経験または新奇性の追求
- 脱抑制
- 退屈感(飽きっぽさ・退屈しやすさ)
刺激追求型と言うパーソナリティー特性は、主として、アメリカの心理学者マーヴィン・ザッカーマンの研究により確立されました。
感覚処理感受性(SPS)を表現するDOES
感覚処理感受性(SPS)とは?
SPSは、ごく個人的な感覚入力によって過剰な刺激を受け、行動する前に、経験を主観的に処理し、些細なことに誰よりも早く気づく、とても創造的で、直感的、共感的で誠実な人たちです。 そしてHSPの70%が内向的で、30%が外交的です。またHSPのおよそ3分の1から半数(あるいはそれ以上)が、子ども時代に 辛い経験をしており、それがうつや不安感といった心理的問題の素因となっています。
人間の特性にこんなものもあるようです。おそらく「私もこんなことは確かにあるかも」と思う部分があるかもしれません。
特性の表現を簡素化させるため、頭文字をとってDOESと表すそうです。
Depth of processing:すべての経験及び刺激の処理の深さ
行動を起こす前に観察及び内省し、すべての経験を徹底して認知的に処理することを好む。
Overstimulation:特定の個別の状況下での刺激に対する反応の強さ
過度な刺激を受けやすい出来事として、決まったものはないが、騒音、匂い、強い光、節度を超えた状況、対人関係で生じるエネルギーに晒されることなど、特定の感覚刺激を受けたHSPは、多かれ少なかれ、静かな場所に退避して心身を回復させる必要性を感じる。 このSPS因子にはかなりのばらつきがあるため、幅広い特性を均質化しないよう留意が必要だ。
Emotional reactivity & high empathy:情動反応性と共感性の高さ
出来事によって経験の認知処理が開始されるため、情動性は、SPSの引き金機構の役割を果たす。ここで、SPSにはばらつきがあることを再び強調するのは、つまり、HSPが一様に理行の状況に深く共感するわけでも、すべての事象がHSPの情動を活性化させるわけでもないということだ。 多くの場合、情動や共感性の表現を抑制しようとする社会的影響力により、多くの人々のSPSはある程度抑圧されている。
Sensitivity to subtleties:些細な刺激に対する敏感さ
HSPは感覚器官に特殊な感覚能力を備えているわけではなく、脳内でより深く刺激を処理している。 また、HSPは、ある状況の中にある視覚的手がかりの吟味により多くの時間をかけ、 非HSPが見逃してしまうような情報まで収集し、立ち止まって熟考してから行動を選択する。
A・アーロンとE・アーロンの研究、またA・アーロン、E・アーロン、J・ジャゲロウィッツが共同で行った研究から、感覚処理感受性(SPS)は、世界人口の15~20%に見られるパーソナリティー特性であることがわかっています。
「刺激に対する反応の強さ」と適応障害
その中で、Oの「Overstimulation:特定の個別の状況下での刺激に対する反応の強さ」こちらが適応障害を患った私の中でとても深く頷ける内容でした。
もしかしたら、少なからずこの特性を「わかる」と納得できる人もいるのではないかなと思ったのです。
- 騒音→びっくりしたり、恐怖を感じます。注意がそちらに逸れて、目の前のことや自分のことに注意が向けられなくなります。
- 匂い→「なんだろう?」と原因を知りたくなり、注意がそちらに逸れて、目の前のことや自分のことに注意が向けられなくなります。
- 強い光→目を開けていられず、動けません。晒され続けると、疲労します。
- 対人関係で生じるエネルギーに晒される→聴覚、嗅覚、視覚、触覚で感知しすぎて、注意がそちらに逸れて、目の前のことや自分のことに注意が向けられなくなります。そして、どっと「疲れた」と感じます。
- 節度を超えた状況→聴覚、嗅覚、視覚、触覚で感知しすぎて、処理が遅くなります。優先順位をつけたり、現状把握が遅くなります。
書いていて「こんなのみんな持ってるよ!」「これだけ重なれば、行動が遅くなるのは適応障害関係なく、みんなあるよね?」との意見もあると思いました。
しかし、適応障害は
「生活の中で生じる日常的なストレスにうまく対処することができない結果、抑うつや不安感などの精神症状や行動面に変化が現れて社会生活に支障をきたす病気のことです。」 適応障害について|メディカルノート:参照 「適応障害は、ある特定の状況や出来事(転勤・配転・新しい人間関係など)がその人にとっての主観的な苦悩(とてもつらく耐えがたく感じ)を生み、そのために気分や行動面に症状が現れるものです」 池澤クリニック:参照
そのため、状況下での刺激へ強く反応するため、環境へ適応できにくくなってしまうんですね。
適応障害を含め、メンタルヘルスで厄介なのが「ストレス下に晒される」ことで「反応の強さ」へ拍車がどんどんかかってしまうことです。
刺激に対する反応の強さを「自分」に向けたら?
これで気づいたのが、この刺激への反応を自分自身へ向けてあげると、恐ろしいほどに自分への肯定と自信を上げる役割に使えるんじゃないかなと思ったのです。
・光や音、匂いの遮断は、環境を変えられないか職場へ相談する。こんな刺激に弱いことを話せる人に伝えてみる。または、サングラスや耳栓など道具で対策する。
・対人関係で生じるエネルギーは、思考を書くメモ書きやマインドフルネスの取り入れで、相手の感情と自分の感情に分けて捉えていく。
・節度を超えた状況は、オンラインや対面、電話でのカウンセリングや労働基準監督署などで、人へ話すことで現状理解をする(上司や職場に話しても取り合ってくれない前提です)。変えられない部分は「50%を超えたら環境を変えよう」などと自分で基準を作る。
こんなことができるのかな、と書いていて思いました。
この記事が何かのお役に立てたら幸いです。また次の記事でお会いしましょう。
引用文献 「傷つきやすいのに刺激を求める人たち」トレイシー・クーパー:著、喜多直子:訳、時田ひさ子:監訳、長沼陸雄:監修
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