計画された偶然をチャンスにする

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リワーク(復職支援)での学び

こんにちは、ヒョーかるです。私は福祉業界で適応障害になり休職、復職を経て、週末は借りている畑の世話をしながら現在も同じ業界で働いている30代です。

今回はリワーク(復職支援)で紹介された、2013年12月31日付け朝日新聞朝刊にあった「配属先は「追い出し部屋」〈限界にっぽん〉」の見出し。

「赤字にあえぐパナソニックグループに「追い出し部屋」と呼ばれる部署があるという内容の記事と共に、この本すごい!この人の内容スゲー!と私の中で灯火(ともしび)がともった内容をお伝えします。

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パナソニックの追い出し部屋

大企業でも赤字により雇用を支えられなくなった。
事業・人材強化センター(BHC)という部屋に働き盛りの30~40代も配属され、他部署の「応援」という業務で社内失業に陥り、辞めるに辞められない正社員がいる。

という内容の記事でした。9年前の記事ですが、現在も身近に感じられる内容だなと私は思いました。この内容に対してリワークで得た内容が、守備一貫感覚(SOC)でした。

守備一貫感覚(Sense Of Coherence)

略してSOCと言い、逆境に立ち向かう時に必要な考え方であり、「ストレス対処力」とも呼ばれています。1970年代にユダヤ系アメリカ人の医療社会学者であるアーロン・アントノフスキー博士(1923-94)が提唱したものです。

把握可能性
・自分が置かれている状況を理解できること

処理可能性
・なんとかなりそうだと感じられること

有意味感
・出来事には意味があること(本人にとって意味がある)

首尾一貫感覚の1つの例を出します。

大手企業に開発で勤めていたAさん。
Aさんの企業で「早期退職」という流れが打ち出されました。開発は自身の年齢や能力を考えるとそろそろ若手に任せる時期になった。管理職ポジションに移る時期でもあるけれど、管理職のポジションで残る意味があるのかをAさんは考えました。(把握可能性)

Aさんには実はやりたかったことがあり、それには勉強が必要でした。退職金を大学での勉強代に充てられれば勉強をして資格が取れるだろう。早期退職をして次へ準備することも可能だろうと考えました。(処理可能性)

「きっとこの早期退職は、次のステージへ移る意味のある出来事だ」(有意味感)
Aさんは早期退職を決断し、大学で学び直し、やりたいことの資格をとりました。その資格を使ってやりたかった仕事へ移ることがAさんはできました。

うまく出来過ぎに見えると思いますが、ノンフィクションです。

特に3番目の「有意味感」が重要な部分です。

上の例では企業が早期退職を募っている状態、つまり大きな変化、逆境です。早期退職をすれば退職金は入り、仕事がなくなる。会社に残れば安定は手に入るけれど、またいつ早期退職のようなアナウンスがあるか、または急にリストラされる可能性もゼロではない。この大きな逆境を自分にとって意味のある出来事と捉えていけるかが大切なポイントだと思います。

休職と離婚を同時に経験した私に当てはめてみます。

私はまず心も体も健康になることが第一優先なんだと把握しました。次に休職と離婚いう形でも仕事が繋がっていれば、経済面でも社会面でも繋がりが保てる、と処理しました。次に「仕事も家庭も200%やってきて正常な自分でなくなってしまったから、休め、目を覚ませっていう出来事なのかな」と意味のある出来事だとふと思いました。リワークに通う間や復職した後は、より「生まれ変われって意味だったんだな」と強く感じる節がたくさんありました。

人員が少ない職場で「私がいないと回らない!」という意味感を持っている人もいますが、「私がいなくても回っている」状況を目にしたら、その人の有意味感はなくなってしまいます。

パナソニックの記事でも、仕事を失うだけでなく、その会社に自分がいる意味を失う出来事でもあったため「辞めるにやめられない」「この職場にいてもポジションがない」状況になり、全員が全員、有意味感まで見出すまでには至らなく、とても苦しい状況に陥ってしまったのだと思います。

嫌な職場の上司は有意味感を壊しにきます。昨日言ったこと今日言ったことが違う上司のいる職場は、首尾一貫感覚がありません。そういう職場に行ってしまったら「首尾一貫感覚がない職場なんだな」と把握をしていくと良いとのことでした。

価値とお金

*価値に対して客は金を支払う。

  →価値を作るために働いているからお金をもらう。

*価値がお金を生む

  →価値を提供しないとつぶれる。

例えば、開発部では、技術部でどんなものが作られるのかを知らない状態で従事している。技術部では開発部でどんなニーズが生まれたのか知らない状態で従事している。これでは「有意味感」が得にくい状態になる人もいると思います。こんな状況で働き続けていれば、この仕事をやる「価値」について追求したくなくなりますね。



価値を追求すること

1990年代からワークライフバランスの提唱がされています。

ですが、仕事も私生活もほどほどにという印象が先に流れて、勤務時間を短くすることが良し、という風潮が間違って捉えられていました。

ワークライフバランスの本来の意味は「価値を追求すること」です。仕事でも私生活でも価値を見出していこうねという意味なのです。

価値を追求する、作り出すことは仕事時間のみで作り上げることはできないのです。むしろ価値を追求していると時間が足りなくなるのです。

*そのため新しい業種、新しい世界に入った時はそこでの価値や地位を作る努力をする必要があります。時間が必要になるので、趣味や大切な何かを捨てることは必要になります。

有意味感を得るために→価値を作る→そのためにできることは何か。

「その幸運は偶然ではないんです!」J・D・クランボルツ、A・S・レヴィン著、ダイヤモンド社の本に計画的偶発性理論のいくつかの事例が載っています。


計画された偶発性(計画的偶発性理論)

米国スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が20世紀末に提唱したキャリア理論。「個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される」とし、その予期せぬ偶然の出来事にベストを尽くして対応する経験の積み重ねで、よりよいキャリアが形成されるという考え方です。

・偶発的な出来事を見逃さないようにすること

・偶発的な出来事に出会った時のために準備していくこと。

・偶発的な出来事に出会った時はその偶然を自らの主体性や努力によって自らのキャリアに最大限活かしていくこと。

フランスの細菌学者ルイ・パスツールも天然痘を予防する種痘法に「ワクチン」という名前をつけ、ワクチンが他の病気にも応用できるのではないかと考えました。

研究のすえ、パスツールは狂犬病、ニワトリコレラ、炭そ病などのワクチンの開発に成功しました。

そのパスツールも「チャンスはそれを迎える準備のできている人にだけやってくる。チャンスまで待たないとならない」という内容のスピーチで述べていたようです。

最後に

皆さんも昔の出来事が役に立ったり、無意識に行ったことが何かのきっかけやチャンスにつながったことがありませんか?私は思い返すとあります。

・大学時代に運転免許感覚で皆がとっていたヘルパーの資格から、現在の仕事に今も技術として生きています。同じ大学時代に皆がやっていたから始めた移動支援の時間数が、相談支援の資格を取るときに助けになりました。

・相談支援で知ったワールドカフェという対話方式が面白かったため、現在の職場でも細々やり続けたところ、業務化へしてもらえました。面白かったからやっていたことを業務化してもらえました。

・そして、適応障害でリワークへ通ったことで得た心理学やコミュニケーションの知識。加えてワールドカフェの対話の楽しさを知ったことで、コミュニケーションを円滑にするために現在対話のコーチングを受ける機会を得ています。

こんな感じで色々つながっているなと思える節があるため、クランボルツ教授の計画的偶発性理論がとても輝いて見えました。

そんな世の中思い通りにキャリアがうまくいくことはない。でも運命に従えとも言っていない。でも時間はかかる。

時間は確かにかかり、最短ルートではないと思います。チャンスって目に見えないし、今まで私は運もないしチャンスを見定めることは得意ではないと思っていました。

でも、この数年で出来事には意味があると思えるようになったり、「運がある」と思うことで心が前に向くようになりました。

皆さんも気になることや、なんかふと湧いた出来事をチャンスと思ってやってみるのもいいかもしれません。春ですし。

この記事が何かのお役に立てたら幸いです。また次の記事でお会いしましょう。

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