パワーハラスメント

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リワーク(復職支援)での学び

こんにちは、ヒョーかるです。私は福祉業界で適応障害になり休職、復職を経て、週末は借りている畑の世話をしながら現在も同じ業界で働いている30代です。

今回はパワーハラスメントについて書きたいと思います。皆さん少なからず経験したことのある内容かなと思います。私も復職してから受けました。

ストレス回避として「あの人はパワハラ体質なんだな、自分は悪くない」と思うことも1つです。

ハラスメントをしている人に対しては「こんなものを見つけてきました。会社や皆のためにならないと思うので」と冊子を渡して間接的に伝えてみることも1つできます。

交流分析で少しお伝えした「ACとCPは関係性が保ちやすのでハラスメントになりやすい」ことも気付けると、ボイスレコーダーを所持することで心理的負荷を下げこともできますと臨床心理士さんより話を聞きました。

交流分析について

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パワーハラスメントの現状

⑴パワハラは全ての職場にとっての課題

平成24年度(2012)に厚生労働省では初の職場のパワーハラスメントに関する実態調査をしました。それによると、パワーハラスメントに関する相談を受けた企業は45.2%で、実際にパワーハラスメントに該当する事案があった企業は32%でした。「パワハラをしたと感じた」「したと指摘された」「場面を見た」「相談を受けた」「実際パワハラを受けた」という回答内容です。

職場のパワーハラスメントはどの企業、労働者も関係する可能性のある問題です。


⑵パワーハラスメントを受けた従業員の対応は?

46.7%が「何もしなかった」との回答でした。その次に14.6%「社内の同僚に相談した」13.6%「社内の上司に相談した」です。そして次に多いのが13.5%「会社を退職した」です。

実際パワハラを受けてどうするかの対応は、相談するか辞めるかの1か0の選択をしていることがわかりました。


⑶精神障害などの労災補償の増加

職場での(ひどい)嫌がらせ、いじめ、暴行や職場内のトラブルにより、うつ病などの精神障害を発病し、労災補償を受けるケースも増えています。


⑷「いじめ・嫌がらせ」が相談件数のトップ

企業と労働者の紛争に関する相談で、平成22年度(2010)は39,405件、平成25年度(2013)は59,197件と急増し、「解雇」を抜いて相談件数のトップになっています。

パワーハラスメントが及ぼす影響

パワーハラスメントによる損失は甚大です。

職場のパワーハラスメントは被害者の人格や尊厳を傷つけるだけでなく、事案によっては職場の士気低下や対応に伴う労力や時間、コストなどその影響や損失は甚大です。

パワーハラスメントの問題を労務管理の問題ととらえ、明るく働きやすい職場環境をつくることは職場全体の活力につながり、仕事に対する意欲や生産性の向上に大いに貢献することになります。

被害者に与える影響・士気の低下
・パフォーマンスの悪化
・メンタル不調:うつ病、パニック障害、PTSDなど
加害者への影響・懲戒処分
・法的責任:名誉毀損、人格権侵害など
企業がこうむる影響・問題解決に至るまでの時間、労力、コスト
・職場風土の悪化:業績低迷、人材流失
・法的責任:職場環境配慮義務違反等
・企業のイメージダウン、信頼失墜

職場のパワーハラスメントとは

パワーハラスメントの概念

職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える、または職場環境を悪化させる行為をいう。

パワーハラスメントという言葉は、上司から部下へのいじめ・嫌がらせを指して使われる場合も多いですが、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対しても行われるものもあります。

「業務上の指導との線引きが難しい」との指摘もありますが、個人の受け取り方によっては、業務上必要な指示や注意・指導を不満に感じたりする場合でも、これらが業務上の適正な範囲で行われている場合には、パワーハラスメントには当たらないことになります。

パワーハラスメントの概念 ~解説

■「職場」の範囲
  ●労働者が業務を遂行する場所
   →通常就業している場所以外も含む
    例:取引先の事務所、打ち合わせをする飲食店等
    例:就業時間以外の宴会、休日の連絡等
■「職場の優位性」
   →相手に対して実質的に影響力のある者
   →同僚であってもキャリアや技能に差があるような場合
    □雇用形態の違い
■「業務上の適正な範囲」
   →業務上必要な指導を、相当性を欠くとは言えない範囲内(表現、回数、態様等)で行うものは、相手がどう受け止めるかに関わらずパワーハラスメントには該当しない。



パワーハラスメントの行為類型

職場のパワーハラスメントの行為類型としては、以下のものが挙げられます。

ただし、これはパワーハラスメントに当たりうる行為のすべてを網羅するものではなく、これ以外は問題ないということではないことに留意する必要があります。

1、身体的な攻撃
   →暴行・損害
・頭を小突く、胸倉を掴む、髪を引っ張る、物を投げつける
2、精神的な攻撃
   →脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
・人前で大声で叱責する、「死ね」「クビだ」と脅かす
・「バカ」「給与泥棒」など人格を否定するような言葉で執拗に叱責する
3、人間関係からの切り離し
   →隔離・仲間外し・無視
・日常的に挨拶をしない、会話をしない
・部署全体の飲み会に誘わない
4、過大な要求
   →業務上明らかに不要なことを遂行・不可能なことの強制・仕事の妨害
・明らかに達成不可能なノルマを課す、1人では無理だとわかっていている仕事を強要する
・就業間際に過大な仕事を毎回押しつける
5、過小な要求
   →業務上の合理性なく、能力や経験をかけ離れた程度の低い仕事を命じる・仕事を与えない
・毎日のように草むしりや倉庫整理をさせる
・コピーなどの単純作業しか与えない
6、個の侵害
   →私的なことに過度に立ち入る
・個人の宗教・心情について公表し批判する
・しつこく結婚を推奨する

パワーハラスメントが発生しやすい職場

パワーハラスメントが発生している職場の特徴については、企業調査、従業員調査ともに同様の傾向が示されています。特に

「残業が多い/休みが取り難い」

「上司と部下のコミュニケーションが少ない」

「失敗が許されない/失敗への許容度が低い」

については、パワーハラスメントの経験の有無によって回答割合の差が大きく、こうした特徴がパワーハラスメントが発生する職場に共通して見られるものと考えます。

他にも「他部署や外部との交流が少ない」「正社員や正社員以外など様々な立場の従業員が一緒に働いている」もありました。

パワーハラスメントを受けたら、見たら

●行為者とのやり取りや状況、その時の自分の感情など記録をつけましょう。

●一人で悩まず、上司や信頼できる人に相談しましょう。

ここ大事です!自分がハラスメントを受けていることを人に話すのって「自分は弱いんだ」「恥ずかしい部分を曝け出すようだ」「大人でいじめられているなんて情けない」なんて過ぎって、自分で結局溜め込む決断をしていませんか?

話してみると、同じように被害を受けている人がいることがあります。私だけじゃないと心理的負荷も下げられ、複数事実があれば上司を動かざるを得ない状況に持っていけます。

●社内の相談担当や窓口に相談しましょう。秘密厳守はもちろんのこと、相談したことで不利益をこうむることはありません。

●やる気や元気が出ない、ミスが増えた、寝不足、食欲不振などメンタルヘルス不調の症状がある場合は、早めに専門医に相談しましょう。

●パワーハラスメントを受けている人がいたら、孤立させずに声をかけてください。

「私だけ?」という孤立感が一番苦痛です。知っている人が居ることで孤立感が薄れ、またハラスメントを受けた際に相談しやすくなります。そして「またあいつキャンキャン吠えてる」という捉え方(人ではなく違うものとする方向)に持っていくこともストレス回避として使えます。

リワーク内ではパワーハラスメントに当たるか動画を観てグループで話し合いました。人が叱責されていたり、侮辱されている場面を観たことで当時の私は気がついたら肩や背中に力が入り、凝り固まっていることに気がつきました。

そして現在、幸い私自身は受けた回数は少なく、職場もパワーハラスメントが明るみには出ませんが、ゼロとも言い切れません。というか人間がいればどこでもあると思います。



パワハラにならないように私が意識していること

私は復職してから数年、人に指導する立場になりました。

「どこまでがアドバイスや気づきを伝える内容?これはハラスメントにあたるの?相手がハラスメントと感じたら終わりじゃん」とハラスメントを与えないか?と葛藤する場面が増えました。

感情的に伝えることは自分もヒートアップしてしまうため、私は以下の手順を自分で作り、アドバイスや指摘をしてきました。

1、他人からの情報の場合でも自身が感じた場合でも、複数から意見や場面を聞きとる
2、上司に1の内容を伝え、当人に伝えることを示す
3、自分が言葉にしようとしていることや頭に浮かんでいる言葉を紙に書く
4、チームやグループにもアドバイスや指摘をする当人に話をすることを伝える
5、当人に時間をもらえないか聞く
6、自分が伝えやすい環境、相手が聞きやすい環境として職場の個室を選ぶ
7、当人に職場の環境や困りごとはないか尋ね、ある場合は聴く
8、1の内容を3で書き出した言葉で当人に伝える(1つだけに絞る)
9、上司に話したことを報告

という感じです。

9項目挙げて見ましたが人によっては時間と手間をかけ過ぎに見えるかと思います。

ですが、人に何かを伝えることは私も訓練中のため、ネガティブな内容ほど慎重になります。

そしてこの作業をしている間に自分の怒りや悲しみといった負の感情が少しずつ落ち着いてきます。

落ち着いた状態で当人に伝えたいことを1つに絞って伝えることで、自分も相手も冷静に対話をすることもできました。全てがうまくいくわけではありません。

また、アドバイスや指摘をする相手との関係性が薄いほど慎重に下準備をする方が効果的になると思います。

関係性ができている、相手のキャラクターを知っている場合は2~5または2~6の手順を私は端折ります。当人に話を終えた後、上司に事後報告をします。

最後に

このように組み立てて人に伝える手順を見つけることができたのも相手が居てであるため、骨は折れますが自分の技能になったことには感謝しています。

一番は自分のキャパシティを超えたアドバイスはやらないことです。または「もうここまでにする」と決めることです。疲れちゃって再発、体調を崩したらいけませんので。

この記事が何かのお役に立てたら幸いです。また次の記事でお会いしましょう。

参考情報
パワハラ裁判事例、他者の取り組みなどパワハラについての総合情報サイト
明るい職場応援団 厚生労働省
あかるい職場応援団 -職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)の予防・解決に向けたポータルサイト-
あかるい職場応援団は職場のハラスメント(パワハラ、セクハラ、マタハラ)、いじめ・嫌がらせ問題の予防・解決に向けた情報提供のためのポータルサイトです。
参考資料 ・平成24年度 厚生労働省「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」より ・厚生労働省「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」より ・厚生労働省「平成24年度個別労働紛争解決制度施行状況」より ・職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告より

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