対人関係療法で気づけたこと

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リワーク(復職支援)での学び

こんにちは、ヒョーかるです。私は福祉業界で適応障害になり休職、復職を経て、週末は借りている畑の世話をしながら現在も同じ業界で働いている30代です。

今回は復職支援(リワーク)で対人関係療法の視点からコミュニケーションを学んだ中で印象に残った「重要な他者」について書いていきます。

この回は読む方もエネルギーを使うので、特に回復期にきていない方、疲弊している時には辛い内容かもしれません。それを踏まえて読み進めていただけたらと思います。

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対人関係療法って?

対人関係療法の基本にある考え方

多元モデルを採用

病気の原因は1つではなく様々な原因がある。精神科的障害は、遺伝、パーソナリティー、早期の人生経験、ときの社会状況、直面している個人的ストレスなど、さまざまな要因の結果として起こってくる。

病気の原因については何の仮説も立てていない。

・「対人関係が原因で病気が起こる」とは考えない。ただ、対人関係と病気は要因があるよと考える。

●障害は、社会的役割と精神病理との関係は双方向で生じるもの

うつ病の発症のきっかけを見ると、そこにはほとんど必ず「対人関係上の状況」がある。

その後の経過も、現在進行中の対人関係に大きな影響を受ける。

病気も対人関係に影響を与える。

・病状そのもの、病気によるコミュニケーションの変化、社会的機能障害などが、身近な対人関係に与える影響は大きい。

●めざすこと

→「症状と対人関係問題の関連」を理解し、対人関係問題に対処する方法を見つけることによって症状に対処できるようになること。

対人関係はどちらが悪いと言うことはなく、両方とも真実。

どちらも一部しか見てないので「こっちが悪い」となる。

例) 仕事ができないから怒るんです⇄怒られるから仕事ができないんです。

対人関係とストレスの関係(1)

私たちは対人関係によって心の状態を左右されている
 →うつ病の女性の受診前6ヶ月の出来事として最も多く報告されたのは夫婦間の問題だった。

なぜ対人関係が心の健康に大きな影響を与えるのか
 →「自尊心」がキーワードでは。
   ・自分を大切にする気持ち、自分の存在を肯定する気持ち
   ・自尊心に問題を抱えると
    「自分なんて生まれてこなければよかった」
    「自分なんて生きていくに値しない人間なのだ」
            心の問題を抱えやすく、心の病気になりやすい。

 →「自尊心」がうまく育つためのポイント
   ・存在と他人に認めてもらう
   ・努力を他人に評価してもらう
   ・試行錯誤を許してもらう
      ほとんど対人関係に基づくものであり、対人関係がとても密着している。

対人関係とストレスの関係(2)

私たちの健康を支えているもの
 →自分の存在がどれだけ人に取って意味のあるものか
 →自分の気持ちをどれだけ他人に受け入れてもらえるか
 →自分が困った時にどれだけの人に助けてもらえるか
 →自分の自然な姿を見せても大丈夫な相手がどれほどいるか、など

心の悩みは、対人関係にも影響を与える
 →落ち込んでいると、他人に細やかな関心や愛情を向けられない
 →他人の何気ないひとことを非常にネガティブにとらえがち
 →落ち込んで思うように活動できない人を見て、まわりの人は非難を向けることもある「怠けているのではないか」「やる気がないのではないか」
 →うつ病の人が、周りの人を落ち込ませたり、不安にさせるというデータもある

対人関係とストレスの関係は、両方向性で密接なもの
 →対人関係がストレスの原因になる
 →ストレスによってつくられる心の状態が、さらに対人関係をゆがめる

幼少期体験に自尊心が育っていないと休職しやすい。親に対してビクビクしていると、他者に対しても同様に思う。弱みを見せられなくなる。

「重要な他者」とは?



すべての対人関係が同じように重要なわけじゃない
 →「相手とわかり合うことが心の健康に大切だ」ということをすべての人に当てはめると、かえって疲れ果てて心の健康を損ねてしまう。

社会的機能としてもっとも理想的なのは、下記図のように分布する対人関係をもっていることだといわれている
 →もっとも親密な関係(重要な他者)配偶者・恋人・親友など
 →それなりに親密な関係 友人・親戚など
 →その他 職業上の対人関係

「重要な他者」=その人に何かがあったら自分の情緒にもっとも大きな影響を与える相手。

人間関係のメンテナンスに重きをおくのは、重要な他者にする。何かあった時のダメージが自分にふりかかってくるから、逆にその他、特に職業上の関係は不安定なのでエネルギーを使わないほうが良い。
引用「自分でできる対人関係療法」水島広子

こころの健康と対人関係

仕事上の問題が起こったとき、それが原因で心を病むかどうかのわかれ道となるのは、身近な家族との関係であることが多い

それぞれの親密度の対人関係をバランスよくもっていることが心の健康を支える

こころの健康のためには、親密度が高いほど、対人関係を良好に保つよう努力しなければならない
 →親密度の高い対人関係ほど、心に与える影響が大きくなる
 →もっとも重要なのが「重要な他者」との関係

根本的なところ、重要な他者を作りストレス耐性を強くする!そのためにも婚活に力を入れることも一つの手。
会社は理不尽なことがおおく、組織を作りかえないとならない。そんな労力は一人の力ではできないため、重要な他者をつくっていくことの方が現実的。

あなたの対人関係の質のチェック

「重要な他者」の前提
既婚者の人は→配偶者
未成年など親に養ってもらっている人は→親
経済的に自立している未婚の人→恋人、親友、親が候補

私は当時の重要な他者は配偶者であり、体調を崩し始めた時は仕事上の問題が起こった時に重要な他者との関係も崩れ始めていました。

このワークを聞いて「だから病気になったんだ、これはなるに当たり前だなぁ」とストンと気持ちが落ち着きました。それまで仕事が原因で病気になったと思っていました。

リワークに進む前、主治医に「家族との関係も修復しないと復職なんてできないよ?」とグサッと言われ「え?なんで?仕事が原因なのになんで家族関係なの?」と内心怒りと戸惑い、疑問でいっぱいでした。

その答えがこの「対人関係療法の重要な他者」を知って解けたので、すごくストンと落ち着いたのです。

重要な他者との関係性が崩れ、離れたくなっていた当時、その他の職業上の関係ばかりにエネルギーを注いでいました。自分が働かないと食っていけない状況だったので、職場にいる方が生き生きと楽に振る舞える、家庭に帰ると逃げたくなるそんな気持ちが半年かけて積もり積もってきました。なんだか、「仕事している方が楽だよ」と家庭が上手くいっていない昭和のとあるお父さん達の気持ちがこの時ぼんやり理解した時期でした。

最後に

正直、私はここを修正できなかったので書いていてきつい気持ちになる回でした。重要な他者との関係が変わったら歯車がうまくいったかもしれないとも思うからです。次は、重要な他者との関係を変えるための「コミュニケーションについて」の記事を書いてみたいと思います。

あなたにとっての重要な他者は書き出してみていかがでしたか?

エネルギーを使うので、疲弊している時ではなく、食事・睡眠・運動が整って元気になったなという時に行うと良いかと思います。

この記事が何かのお役に立てたら幸いです。また次の記事でお会いしましょう。

参考図書
「自分でできる対人関係療法」水島広子 創元社

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