あなたの大切な人たちは誰ですか?

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リワーク(復職支援)での学び

こんにちは、ヒョーかるです。私は福祉業界で適応障害や休職、復職を経験して、これは飄々と軽々と生きていけるんじゃないか?と学んだことや思ったことをコツコツお届けしたいと思います。

今回は前回の続きです。「重要な他者」という単語が出てきました。対人関係の質のチェックをする方法と重要な他者との関係を変える方法について書いていきたいと思います。

引き続き、「自分でできる対人関係療法」を参考に教えてもらいました。

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あなたにとっていちばん大切な人は誰?

あなたにとっての「重要な他者」とは誰でしょうか?

その人に何かあったら、あなたの情緒にもっとも大きな影響を与える人は?

→「重要な他者」の逆転がないか?「嫁姑問題」のこじれ →例:「ツマ子」さん

マ子さん、31歳。
 同居中の義母との関係で悩んでいる。同居時の約束で、家事は基本的にツマ子さんが担当しているのだが、義母はツマ子さんの家事のやり方がいちいち気に入らないようで、いやみばかり言ってくる。ツマ子さんは、食器を拭くのは乾いた布巾であるべきだと思っているが、義母は濡れ布巾で拭く習慣があるらしい。食器を拭いているツマ子さんの近くに立っては、「そんな乾いた付近で拭くなんて…」とブツブツつぶやいたりするので、ツマ子さんはすっかりうつ状態になってしまった。
 何とかしてもらえないかと夫に相談したが、夫は「母にも悪気はないのだから、仲良くしてくれ」と言うばかり。さらには「君が言うことを聞いてくれない、と母親が落ち込んでいるから、譲ってくれないか」と言われる始末だった。
「嫁姑問題」などで相談を受けていると、夫が「重要な他者」を妻ではなく母親だと考えているケースにも出逢います。既婚者の場合、「重要な他者」は配偶者であって、親はむしろそれよりも親密度の低い「親戚、友人」のところに位置するべきだと思いますが、これが逆転してしまうと「嫁姑問題」がこじれていくのだということがよくわかります。
参照:「自分でできる対人関係療法」水島広子 創元社

「重要な他者」の前提

既婚者の人「配偶者」
未成年など、親に養ってもらっている人「親」
経済的に自立している未婚の人「恋人」「親友」「親」などが候補
*身近な他者の関係が負になると、職場のストレス耐性も下がる!

あなたの人間関係チェック

参照:https://harada-mentalcl.com/column/重要な他者

「重要な他者」との関係をチェックする

①「重要な他者」とのあいだには、どの程度の交流がありますか?その量と質はどうでしょうか?

  • :とくに多くはないけれど、必要なことは話しているつもり。夫や妻、パートナーからの会話はほとんどない。
  • :自分が一方的に伝えるだけで、あまり反応はない。
*量と質を十分確保すること。「以心伝心」は対人方法ではない。

②自分が相手にやってほしいと思っている期待のうち、満たされているものと満たされていないものは何ですか?

  • 満たされている期待:休日には車を運転して一緒に出掛けてほしい。怒らないでほしい。
  • 満たされていない期待:共働きなので家事を分担してほしい。悩み事を聞いてほしい。
*やる気や心がけの問題ではなく、期待のズレで不和が起こる。
*期待とは何か?と言うことを対人間関係療法ではみる。

③「重要な他者」との関係の満足できる部分と不満な部分は何ですか?

  • 満足できる部分:それなりに家庭を大切にしてくれる。大声を出したり、暴力をふるったりすることがない。
  • 不満な部分:悩み事を打ち明けると、ため息をついて、うんざりした顔をする。こちらが疲れているときも家事をしてくれない。

④「重要な他者」との関係を変えるには、どういう方法がありますか?あなた自身が行動を変えますか、相手に行動を変えてもらいますか?

  • 自分の期待を変える
  • 相手の期待を変える
  • コミュニケーションを変える
*期待がズレているならばそこのズレを考える。



「重要な他者」との関係を変えるには?

「重要な他者」とのあいだの問題には、主につの要素によって作られる

①「相手への期待が不適切であること」

  • お互いに不適切な期待をしているようでは、良好な関係は作れない。→期待を適切なものに変える
  • 自分の期待を変える
  • 相手の期待を変える

②「コミュニケーションが貧弱であること」

  • 期待が適切なものであっても、それがうまく伝わらなければかなえられない。→コミュニケーションを改善する

「価値観には踏み込まない」

例:看護師の妻が夜勤で家をあけることが何となく不満な夫

●夫の期待
→「夜は家にいてほしい」期待しているから
・妻が今の職場で働いているかぎり、不適切な期待

●妻の期待
→「自分の夜勤を夫に理解してほしい」
*「この期待の不和があるんだよ」と対人関係療法は見ていく。価値観には踏み込まない。

「自分の期待を変える」

選択肢①:期待を適切なものに変える

→自分の期待を適切なものに変える「夜は家にいてほしい」

なぜ夜は家にいて欲しいのかの本質を考えて

「寂しさ」ならば
・「せめて家にいるときにはもっと親密な関係を持ってほしい」
・「夜勤のときには必ず家に電話をして、コミュニケーションする時間をとってほしい」

「妻不在による家事の不便さ」ならば
・「夜勤の前の晩には夕食を二日分の量をつくって欲しい」
・「いないあいだに自分が台所を散らかしてもあまり怒らないでほしい」

→妻の期待を変える「自分の夜勤を夫に理解してほしい」

環境を変えて、前提を変える
・夜勤のない職場に変わる。夜勤の頻度を減らす。

夫の気持ちを認める(あなたの期待は理解しましたよ)
・「自分が夜勤のときに寂しいのはあたりまえの気持ちだ」と夫の気持ちを認める

「自分の気持ちを素直に伝える」

選択肢②:コミュニケーションの改善

→自分の気持ちを素直に伝える

夫から妻
・「寂しいから夜勤を減らしてほしい」
・「夜勤のときに自分が台所を汚したからと言って怒らないで欲しい」

妻から夫
・「寂しいでしょうけれど、ローンの返済が終わるまでは頑張ろうね」
・「夜勤のある職場のほうがやりがいがあるから、理解してね」

→期待を変わらずに持ち続けていても、コミュニケーションが改善されることによって、期待のズレが問題になることがぐっと減っていく。

*もし、相手が自分の気持ちに気づいていなくて、具体的な気持ちが見えなかったら
「あなたは~~な感じなのかな?」と相手に気づいてもらう問いかけをして、自分で気づいてもらう。

*リワークも「あなたはどうしたいの?」と「人生を問う」を行なっている。自己理解をより求められる時代。

*期待のズレがあることを認めていく、そして「そうか」と思う。自分と相手の期待のズレを認めていく。

*価値観の話になると力関係や上下関係でねじ伏せてしまう。
違った場合は
「~~の期待がズレていますね。正確さの期待とスピードの期待の違いなんですね」
「そこの期待を私は理解していませんでした(ズレていました)」
「どういう期待をしていましたか?」と確認してみるといい。

*価値観ではなく、期待の違いを確認することが職場では大事。

対人関係の問題領域

「重要な他者」との関係を評価したうえで、対人関係の問題領域を絞ってみる


対人関係療法では、問題をおもに4つのテーマに分類する

①悲哀
→大切な人を失ったとき(悲哀のアプローチがある)

②対人関係上の役割をめぐる不和
→「重要な他者」とのあいだで、期待のズレなどが問題になっているとき

③役割の変化(昇格、異動、病気になる)
→自分の役割の変化にうまく適応できないとき

④対人関係の欠如
→親しい人間関係をつくれない、あるいは維持できないとき

病者の役割

病者の役割

  • 「病気は単に『状態』であるだけではなく、同時に『社会的役割』でもある」と考える。
  • 社会的な義務や責任をある程度免除される代わりに、早く病気の状態を脱することと、それを援助する人に協力することが義務になる。(働ける状態になる努力をしていく義務)

やるべきことに優先順位をつける

  • 対人関係の改善には、自分の期待を相手に伝えたり、自分の感情を表現したりすることが必要になる。そのときに「でも、自分なんて…」と思っていると、やるべきことができなくなる。そうすると、対人関係の問題解決が遅れる、こじれる。
  • 自分がやらなければいけないことを常に冷静に考える。相手に遠慮して自分を追い詰める事態をさらに悪化することか、自分の課題に取り組んでいくことか。
  • 「病者の役割」を自覚して、やるべきことに優先順位をつける。結果的にまわりの人にもプラスになる。

最後に

「重要な他者」という言葉を知り、自分に影響ある相手との関係を円滑にするためにコミュニケーションを尽くすことで自分のメンタル面を維持していく。これが身に染みて今も実感しています。

どうしても「重要な他者」との関係がこじれると、第2〜3層の関係性との時間を作りたくなります。この葛藤は経験値を踏んでもぶち当たるものなのかなと感じました。

また、「病者の役割」は復職する際の私の心にとても刺さりました。「今、私が求められていることは何か?」「成果を上げるより、安定して職場で勤務することが優先」この知識があったことで、焦らずに復職できたなと実感します。

次回は、「重要な他者」との関係を変える選択肢の1つ「コミュニケーションの改善」ってどうしていくのか、書いていきたいと思います。

この記事が何かのお役に立てたら幸いです。また次の記事でお会いしましょう。

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