こんにちは、ヒョーかるです。私は福祉業界で適応障害や休職、復職を経験しています。飄々と軽々と過ごせるような適応障害との暮らし方や気づきをお届けします。
今回は、仕事柄や日常生活で、話を聴く際、心に留めていることを書いていきたいと思います。ストレス対策としても役に立てる部分があるかなと思います。
復職後、安定して出勤ができたら、産業カウンセラー養成講座を受けようと決めていました。こちらも復職支援(リワーク)の影響が大きいです。
話を聴く勉強をしたかったきっかけ
傾聴技術が未熟だったから
適応障害の原因理由の1つに、傾聴技術が身についてない状態で仕事をしていたことがありました。何も学ばないと、また同じことを繰り返すと思ったためです。
仕事で知った「ワールドカフェ」が楽しかったから
私が仕事で知った、アメリカで作られた対話手法「ワールドカフェ」に、4つのエチケットがありました。
「否定しない」「人の話を聴く」「自分も話す」「対話を楽しむ」です。
この4つのエチケットがあって、私は心理的安全を得られる中、安心して話せる体験ができました。この楽しさを知りたい気持ちもあり、「話を聴く」ことを学びたいと思ったのです。
話しを聴く方法は多くの媒体で方法を得られます。技術も大切なのですが、私が一番大切にしていることは「この人はどういう人なのかな?」と相手に興味を持つことです。これは福祉業界で自然と身についた心に留めていることです。
話の聴き方
自分が話さなきゃ、とならなくていい
誰かと話をする、話を聞く時「自分が話題を作らなきゃ」と思いませんか?
私はそう思っていました。積極的に話をする人が話上手というイメージです。
実は観察すると、聞き手と話し手、2つの役割で対話はできています。話す人が話しやすい環境を作ると、聞き手と話し手の対話がキャッチボールのように弾むのです。
そのため「自分が話さないと!」と気持ちが焦ると、どうしても「自分の中にある話題」が中心になるので、自分の話が多くなってしまうのです。話し手と聞き手が逆転し、聞き手役だったはずが話し手になっていることがあります。話がキャッチボールのように、ぽんぽんと動いていかない理由です。
そのため、「あぁ、自分ばかり話してる」と気づいたら、次にこう心に留めます。
話してもらおう
対話の中で相手がよく話していた内容はありませんでしたか?
「先週、このドラマが面白くてさー!」「この前、欲しかったものが手に入ってね♪」など。
ドラマの話題をした人を例にします。
- 「どのドラマが面白かったのか」聞いてみます。
- 「○曜日の~~」
- その次に「ドラマの何が面白かったか」聞いてみます。
- 「俳優の○○が格好良くて、演技が良くて」
などなど理由が出てきます。対話相手が話したいな、という話題やポイントに焦点を当てると、どんどんキャッチボールができます。そうすると「話さなきゃ!」と焦る聞き手にはならず、質問をする聞き手になるのです。
話を進めていくと、同意できる部分と、同意できない部分が出てくると思います。そんな気づきがあったら、こう心に留めます。
否定より肯定
対話の中で、否定されて残念な気持ちや悲しい気持ちになったことはありませんか?
聞いてほしいな、話したいなと思うポイントは、同じ気持ちであることなんです。そのため、対話を続けたい、話を聞きたいのであれば、同じ気持ちで「それ私も好きですよ」「それ私も辛かったです~!」と共感的理解を伝えてみてください。
否定されて「これは嫌いな人もいるのか」と受け入れたり、受け流すことができる人もいます。
そんな人も、その前に一度は否定されることで残念な、悲しい気持ちを瞬時に捉えます。捉えても「嫌いな人もいるんだな、いるのね」と変換が早いかの違いなのです。なので、否定は悲しい気持ちになる、というイメージを持っていると、日常会話でも対話の流れが少し変わるかもしれません。
余談です。日常生活での話は、雑談から相談からと内容の質が幅広いので、どんな状態で話をしたり聞いたりするといいのか分かりにくいのが、困りますよね。
「ちょっと聞いて!」が「買ったばかりの洋服が汚れてしまってついてない!」な感じなのか「家族の浪費が止まらなくて、いよいよ私にまでお金貸せっていう始末に…どうしたらいいと思いますか?」の感じなのか、レベルが違いますよね。もし、洋服の話題でも家族の浪費の話題でも、あなたが聴き続けたいと思うのであれば、次にこう心に留めます。
相手のチャンネルに合わせる
- 「買ったばかりの洋服が汚れてしまってついてない!」
- 「買ったばかりなの!?うわー!それはついてないね!」
- 「家族の浪費が止まらなくて、いよいよ私にまでお金貸せっていう始末に…どうしたらいいと思いますか?」
- 「家族が浪費して、あなたにもお金貸せって言ってきた。うーん、どうしたら?って思いますね」
文章でニュアンスが伝わりにくいと思います。相手の話のチャンネルに合わせて、返していくことは関係性を作る一歩です。こちらは話を聴く仕事でなくても、日常生活や仕事場面で大いに役立ちます。
常に一定の関係性を求めてくる方には、同じ態度で。関係性ができて、変化してきたら変化してきた態度で。
言葉選びも、形式的なものがいいのか、少し砕けたほうがいいのか、両方混ぜたほうがいいのか。言葉よりも写真がわかりやすいのか、文章がわかりやすいのか、やってもらう体験が伝わりやすいのか。これはリアルタイムの対話で知っていけます。目に見えないものなので、手応えは感覚便りになります。わかってくると、対話する時の「引き出し」がどんどん増えていきます。
注意したいこと
3つ目の「否定より肯定」で伝えた「共感的理解」は「なんでも肯定する」という意味ではないのです。「相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする」こと。「あたかも自分が感じているように感じ取ること」です。
自分の得意、苦手を熟知していること。自分の人生の課題や抱えているコンプレックスを認めて、理解していること。これらができておらず、「なんでも肯定する」マインドでいると、深刻な相談を受けた場合、自分と相手の感情が混ざって、あれよあれよと巻き込まれていきます。
自分の見つめ直しができていない状況で行うことは、とても危険なので、話を聴く技術を身につけたい場合は、講師がいる学習をお勧めします。自己流では感情に巻き込まれて、メンタルヘルスを損なう原因にもなるので、注意としてお伝えしておきます。
冒頭でもお伝えしましたが、話しを聴く方法は技術も大切ですが、一番大切なことは「この人はどういう人なのかな?」と相手に興味を持って聴くことだと私は思います。
この記事が、自分を認められるきっかけのお役に立てたら幸いです。また次の記事でお会いしましょう。
参考図書:産業カウンセリング 産業カウンセラー養成講座テキスト 一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
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