こんにちは、ヒョーかるです。私は福祉業界で適応障害や休職、復職を経験して、これは飄々と軽々と生きていけるんじゃないか?と学んだことや思ったことをコツコツお届けしたいと思います。
「キャリア・アンカー」についてはこちらでも書いてきました。
今回は自分のキャリア・アンカーを知ることでストレス対策にもなること、仕事を選ぶ上で1つのヒントになることを書いていきたいと思います。
キャリア指向質問票
キャリア指向質問票リンク
●目的
- 自分自身のキャリア・アンカーを知る
- コンピタンス(成果につながる有能さ)、動機、価値観について、あなた自身の考えを深める
●実施の注意
- 質問にはできるだけ正直に、また素早く答えるようにしてください。
- どちらかの極に近いと強く感じる場合以外は、あまり極端な点数をつけない方が良いでしょう
キャリア・アンカー
●職業上の自己概念/セルフイメージ
- 自覚された才能と能力「〜が得意である」
- 自覚された動機と欲求「〜によって動機づけられている」
- 自覚された態度と価値「仕事を進める上で何に価値を置いているか」
●個人の「内面にあり」、キャリアの決定と選択に対してひと組の推進と抑制の力として働く
- もし失敗しそうな環境、あるいは自分の欲求が満たされ得ないか、自分の価値が危うくされる環境に入るなら、何かもっとしっくりくるものーーしたがって「アンカー」の比喩ーーに「ひきもどされる」であろう
●どんなに難しい選択を迫られた時でも放棄することのできない自己概念
*どうしてもこれだけは諦めたくないと思う、際立って重要な領域を示すラベル
キャリア・アンカーの種類
カテゴリー | 説明(あきらめたくないこと) |
専門・機能別コンピタンス(TF) | ある領域に関して、才能を発揮し、専門家(エキスパート)であることを自覚して満足感を覚える。 |
全般管理コンピタンス(GM) | 組織の段階をあがり、責任のある地位につき、組織全体の方針を決定し、自分の努力によって組織の成果を左右したいという欲求を持つ。(火消し役を得意とします) |
自立・独立(AU) | どんな仕事に従事しているときでも、自分のやり方、自分のペース、自分の納得する仕事の基準を優先する。 |
保障・安定(SE) | 安全で確実と考えられ、将来の出来事を予測することができ、しかもうまくいっていると知りつつゆったりとした気持ちで仕事ができることを望む。 |
起業家的創造性(EC) | 新しい製品や新しいサービスを開発したり、財務上の工夫で新しい組織を作ったり、新しい事業を起こしたりする欲求を持つ。 |
奉仕・社会的貢献(SV) | 何らかの形で世の中を良くしたいという欲求に基づいてキャリアを選択する。 |
純粋な挑戦(CH) | 不可能と思われるような障害を克服すること、解決不能と思われていた問題を解決すること、きわめて手強い相手に勝つことに「成功」を感じる。 |
ライフスタイル(LS) | 個人のニーズ、家族のニーズ、キャリアのニーズをうまく統合させた生活様式を実現することを望む。 |
キャリア・アンカーの整理
●キャリア・アンカー(長期的な仕事生活の拠りどころ)とは
- 能力、欲求、価値についてのセルフ・イメージ(自己像)である
- 節目節目(独立、結婚、引退、病気など)のきっかけがないと、はっきりと自覚されない自己像である
- 一人で自己内省するよりも、同僚や配偶者との対話から浮かび上がる自己像である
- 組織、仕事を変遷しても「自分としては絶対捨てたくない」コア(核)である
- キャリア・ダイナミクス(仕事生活の動態)の中の基軸(不動点)である
キャリア・アンカーが分かると良いこと
ストレス対策になる
職場の中でも「合わない人」がいるのは、自分と違うキャリア・アンカーを持っている場合があります。例えば、自分は仕事において「保障・安定」を求めているのに「純粋な挑戦」を仕事に求めている人がいると、一緒にいてモヤモヤしますよね。そんな時に自分のアンカーを知っておくと、モヤモヤしたままでなくなり、「あ、アンカーが違うんだ」とストレスコーピングの方法になります。
・アンカーを知っている状態で「なんか合わないな」
・アンカーを知らない状態で「なんか合わないな」 ストレス具合が変わります
仕事選びのヒントになる
「仕事は入ってみないとわからない」は確かにその通りです。それを探しながら職業人として経験もしていく方法もありますが、全員が全員その方法で仕事ができれば、離職や体調不良になることは少ないですよね。
例えば「私のアンカーは新しいものを作っていくことが譲れない」と分かると、組織化されルーティン業務で成り立っている職種や会社を外して探すことができます。また、実際入社して「なんか保守的な感覚がする」と違和感を感じたら自分に合う場所を探すステップに移れます。
これを繰り返していると「自分が無理なく心地よく居られる場所はこんな場所かもしれない」と環境を探す、作り出せる力がだんだんついてくるんじゃないかな、なんて思いました。
最後に
また、キャリア・アンカーは環境や年代、ライフイベント、経験値で変わっていくものに感じます。私も根底のアンカーは変わりませんが、3年経つと関心度が変わった項目もありました。忘れた頃に質問票で見直してみると良い項目かと思いました。
この記事が何かのお役に立てたら幸いです。また次の記事でお会いしましょう。
参考図書 ・「新版 キャリアの心理学」 渡辺三枝子編 ナカニシヤ出版 ・「キャリア・ダイナミクス」 エドガー H. シャイン著 二村敏子・三善勝代 訳 白桃書房 ・「キャリア・アンカー 自分のほんとうの価値を発見しよう」エドガー H. シャイン著 金井壽宏 訳 白桃書房 ・「よくわかる 産業・組織心理学」山口裕幸・金井篤子 編 ミネルヴァ書房
コメント