こんにちは、ヒョーかるです。私は福祉業界で適応障害や休職、復職を経験して、これは飄々と軽々と生きていけるんじゃないか?と学んだことや思ったことをコツコツお届けしたいと思います。
以前「アサーティブになること」というタイトルで記事を上げました。
この記事に対して今回は具体的にどのような場面で使うことができるのか、書きたいと思います。
この記事は「アサーティブな話し方・伝え方」森田汐生さん著 現代けんこう出版さんより引用しています。
相手を尊重しながら上手に「ダメ出し」をする
組織の属する以上、ときには「ダメ出し」をすることが必要になります。しかし、注意のしかたによっては「パワハラ」と捉えられたり、「うつ」を引き起こしてしまう危険性もあります。する方もされる方もストレスになりうる「ダメ出し」は、アサーティブにすることでスムーズに伝わりやすくなります。
【事例3】 A課長の部下のBさん。現場の対応に追われて、A課長への進捗状況の報告が遅れることが頻繁にあります。A課長は、何度か「報告するように」と言っていますが、今週もまた報告が遅れています。
おこりキャラ
「何度言ったら分かるの。どうしていつも報告しないの。もう、いい加減にしてよ」と、一方的に怒鳴る。
ひるみキャラ
「Bさんも一生懸命やっているんだし…」と考えて、何も言わないで自分でフォローする。
いやみキャラ
「また誰かさんのおかげで業務が遅れて、みんなが迷惑しているよ」と、Bさん本人に聞こえるように言う。
さわやかキャラ
「Bさん、進捗状況の報告が遅れることが月に2度ほど、半年続いています。その結果、全体スケジュールの調整が遅れてしまい、プロジェクトの進行が滞っています。【ポイント1】
Bさん「すみません、お客様の対応に追われてしまって」
「Bさんが、お客様に迷惑をかけないように、現場の対応を優先しているのはいいことだと思います【ポイント2】が、これ以上プロジェクトの進行が遅れることは本当にまずいですし、この事態が続くことは心配です。ですので、毎週1回、金曜日の午後に、進捗状況について20分程度、口頭での報告を必ずお願いします。【ポイント3】その上で、問題があれば対処の方法を一緒に話し合いたいと思います。」
上手に「ダメ出し」をするポイント
単発のミスであればその場で注意します。繰り返し起こっている問題や人間関係のトラブルなどは、落ち着いて話せる場所で問題解決を図りましょう。
【ポイント1】主観をはさまず、生じている組織内のデメリットを伝える。 アサーティブにダメ出しをするには「あなたが悪い」「君が○○だから」と言う話し始めはしません。 自分の主観を交えないで「結果、組織内で生じたデメリット、あるいは本人に生じるデメリット」について、きちんと提示することが出発点となります。 例えば…新人指導が厳しすぎる部下を注意したい。 「他の社員の前で指導することで、本人が萎縮してしまい、モチベーションが下がってしまうことが心配です」 【ポイント2】相手の立場も理解し、評価する。 相手には相手なりの価値観があることを尊重します。 また、相手の評価できる点、自分がよいと思っている点を伝えましょう。 例えば… 「〜〜さんが、お客様を第一に考えて、つい厳しくなってしまうのは分かります」 「毎日ぎりぎりの状況のなか、頑張っていてくれていて本当に助かっています」 【ポイント3】どのような変化を望むのか、具体的な提案をする。 相手に求める行動の変化は何なのか、的を絞って具体的に伝えます。 ポイントは1つに絞り、現実的かつ建設的な要求を心がけます。 その際「具体的に行動に移せる」言葉にすることが重要です。 例えば…共有の作業台の使い方を注意したい 「使い終わったら、作業台の上には何もない状態にした上で、帰ってくださいね」
「ダメ出し」はネガティブなことなので、お互いにストレスのかかることだと思います。私は社会人2年目に自分の電話応対でクレームがあった際「それはあなたが悪い」と一番のトップに言われたことが今でも鮮明に残っています。言った側は覚えていないと思います。ですが直属の上司が自分の指示であることを伝え、フォローしてもらえたことが救いでした。
私も育成する立場になった時は正直緊張しました。
「どうやって伝えよう、あ、アサーティブな姿勢を思い出そう」と。
その場で伝える方が効果的な人もいますが、私の場合は気質も考えるとその場でパーンと言うと「あぁ、感情的になっちゃった…」と後悔することが目に見えていました。(その場で言ってしまう時もありますが、時間を置いて「伝える時に感情的になってごめんなさい」と伝えます。)
言う内容を頭や紙に書き出してから伝えたり、または予定として伝える時間と場所を設定してから自分も相手も落ち着いた状態で行いました。
【ポイント3】の「どのような変化を望むのか、具体的な提案をする」については相手の勤務経験や能力で考えるといいのかなとも私は思うようになりました。
経験値がこれからと言う相手には、具体的なアドバイスが必要になります。ある程度経験している、社会人経験もしている方、指示待ちタイプを少し変化させたい場合は事例3を使うと「どうしたら遅れないようになると思いますか?」と一度自分で考えてもらうこと、考えて気づきにつなげる方が良いのかなとも私は思います。考えてもらい、相手から求められたら具体的な提案をするように私はしました。
パワハラにならないよう、私なりに伝え方をまとめた記事の一部がこちらにあります。
批判されたときの受け止め方
批判は、誰にとっても受け入れることが難しいものですが、「批判=自分の存在の全否定」ではないということを頭に入れておくと、必要以上にショックを受けずに済みます。また、的を射た批判を前向きに受け止めることは、成長するチャンスになります。
【事例4】 書類のチェックが厳しいと評判の総務課長から「こんな書類じゃ分からないだろ」と提出した書類が戻ってきました。
おこりキャラ
「どこがいけないって言うんですか」と反撃する。
ひるみキャラ
自分が悪いと思って「やっぱり自分はダメだ」と落ち込む。
いやみキャラ
相手に腹を立て、その場では何も言わず、後で仕返ししようとする。
さわやかキャラ
「そうですか、分かりずらかったですか。申し訳ありません。【ポイント1】
自分はこれでよいと思っていたので、どの部分が分かりづらいか、正直よく分かっておりません。申し訳ありませんが、どの点が問題なのか教えていただけないでしょうか。【ポイント2】」
相手「このまとめの部分…(説明)…でしょ」
「この部分ですね、よく分かりました。すぐに修正します。ありがとうございました【ポイント3】」
批判を受け止めるポイント
アサーティブに批判のメッセージを受け止めることで自信がつき、思わぬ批判にさらされても、むやみに落ち込むことがなくなります。
【ポイント1】相手の言葉をいったん受け止める 批判の言葉を受け止めることは、相手の言葉に同意することでも、相手の言いなりになることでもありません。 「自分が否定された」と思って、むきになって自分の正当性を主張するのではなく、まずは一呼吸おいて「確かにそうかもしれませんね」と、はっきり言葉に出してみることから始めます。 例えば…批判されたとき 「そうですか。〜〜だとお考えなんですね」 「なるほど、私の〜〜がまずかったんですね」 ※その時の態度も重要です。 ・オドオドしない、下を向かない、反発しない。 ・なるべく相手のほうを向く。 ・はっきりと落ち着いた口調で答える。 【ポイント2】批判の的を絞る。 「やる気がないんじゃないの」など抽象的な表現の批判は、問題点がよく分からないこともあります。 問題解決を望むのであれば、批判の内容を「よく分からないので、もう少し詳しく教えてほしい」などと質問することで、具体的にしていく必要があります。 例えば…抽象的な批判をされたとき 「あなたは不真面目すぎる」 ↓批判の的を絞る 「(傷つくな…)よく分からないので、もう少し詳しく教えてほしいです」 「書類が期日通りに出てこないことが多い」 ↓批判の的が分かる 批判に対処しやすくなる 【ポイント3】批判は成長のチャンスになると捉える。 批判は対処の仕方にとっては、成長のチャンスになります。指導であっても、批判だと感じることもあります。 そんなときは相手の言葉をアサーティブに変換して、受け止めるようにしましょう。 また、批判や相手への関心や期待なしにできないことであり、自分のためを思って言ってくれると理解することで、批判に聞こえる指導にも、耳を傾けやすくなります。 ※「どうしてもっと、きちっとできないんだ!」 「きちっと」の内容を確認した上で、「やってくれたら嬉しい。君ならできると思っている」と言う期待が裏にある、と相手の言葉をアサーティブに変換して受け止める。
批判を受け止める、ダメ出しをするはセットであるなと感じます。
批判される方になると「もっとって?どのくらい?」「きちんとってあなたのきちんとって何?」と思うようになります。初めは「きちんとって具体的にどの部分ですか?」と返答するのでOKだと思います。そこで答えられない上司は問題点を具体的に落とし込めていないため、言いたいだけかもしれません。
また、より円滑になりそうなのが「きちんとって具体的にどの部分ですか?」に自分の仮説を加えて
→「~~までまとめることがきちんと、と言う意味で合ってますか?」と返答してみることで相手もあなたの「きちんと」のイメージを掴みやすくなり、人によっては「お、分析できてる」と捉えてくれるかもしれません。
ダメ出しをする方は「もっと」「きちんと」と言われてモヤっとした感覚を思い出して「~~を~~までにやることがお願いしたことなんですよ」と具体的に示せるようになると相手にも伝えやすくなるかと思います。
アサーティブなほめ方・ほめ言葉の受け取り方
最後はとても大事なところです!
日本人は概してほめることが苦手です。ほめられても「謙遜」してしまい、うまく受け取れません。上手にほめること、ほめ言葉を受け取ることは、人間関係をよくしていく上で重要なことです。まずは身近な人をほめることからチャレンジしてみましょう。
【事例5】 部下に頼んだ書類が期待以上の仕上がりだったので、ほめたい。
いやみキャラ
「女なのに論理的に書けているじゃないか。」
ひるみキャラ
「いやーよくできてるね。自分じゃこうはいかなかったよ」
さわやかキャラ
「まとめ方、見せ方に工夫が合って、すごくよくできているよ。ありがとう【ポイント1・2】」
アサーティブにほめるポイント
*日頃からいいところをしっかり伝えておくことで、率直にものが言える人間関係の土台を作ることができます。
【ポイント1】自分や他人と比較せずにほめる 「私と違って、○○さんは仕事が早くてうらやましい」「男なのに…」「若いのに…」など、自分や他人と比べてほめると、ほめられた方は逆に相手を気遣ったり、素直に喜べなかったりします。 【ポイント2】具体的に的を絞って伝える 「元気でいいね」だけでは、何をほめているのかあまり伝わりません。 「誰にでも元気に挨拶して、ハキハキしているところが気持ちいい」と具体的に言う方が気持ちが伝わります。また、「メンバーみんなが喜んでいたよ」「会社としても誇らしいよ」なども、相手は強く承認されたと感じます。
【事例6】 「あなたが会議の進行をしてくれたおかげで、話が前向きに進んだよ。ありがとう」とほめられた。
おこりキャラ
「やめてよ、全然たいしたことないわよ」
ひるみキャラ
「いえいえ、そんな、私なんて全然だめですよ」
いやみキャラ
「だから、次もやれって言いたいんでしょ」
さわやかキャラ
「自分ではまだまだかと思っていたけど、そういってもらえると嬉しいです【ポイント1・2】」
ほめ言葉を受け取るポイント
ほめ言葉を気持ちよく受け止めると、自分と相手、双方の気分がよくなります。
【ポイント1】過度に謙遜しない、相手の気持ちを否定しない 「たいしたことないですよ」「たまたまですよ」などの謙遜は、相手のほめ言葉を否定することにつながります。 【ポイント2】照れるときはそのまま伝える 照れたときは「そんなにほめられると恥ずかしいですが、とても嬉しいです」と、そのときの気持ちを素直に伝えましょう。 「そんなふうにいっていただき、自信が少し着きました。ありがとうございます」 「照れくさくて、何て言ったらいいか分からないけど嬉しいです」
ほめられると「おはようございます」の挨拶のように「いえいえ、自分なんて」「そんなことありません」と返すことが多いと思います。私もここは未だに変化がしにくいところです。
もともと自己肯定感が低いとほめられるに値しない自分が基礎なので「ほめられている」状態に違和感を感じて、変化に苦労します。
ですが、初めは「そんなことありませんが、ありがとうございます」や「ありがとうございます」と返答していくうちに、私は笑顔で「ありがとうございます」と言えるようになりました。
ここは具体的に言うより、「ほめられたら『ありがとうございます』と返そう」と言うテンプレートを作るだけで、「あぁ、ほめられた、何か返さなきゃ!」と言うプレッシャーが減りました。そして笑顔で「ありがとうございます」から「そう言っていただけて嬉しいです」につなげて言えるようになりました。
最後に
とてもボリュームのあるアサーティブなコミュニケーションの内容でした。いかがでしょうか?
私はこのコミュニケーションに今も救われていますし、この方法が軸になっています。魔法のように感じます。そして何より自己肯定感の低い自分の気持ちに正直になっていいんだと思えたコミュニケーション方法です。
これは私が飄々と軽々と生きていけるのでは、と感じた方法でもあるので随所に出てくるかと思います。
この記事が何かのお役に立てたら幸いです。また次の記事でお会いしましょう。
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