こんにちは、ヒョーかるです。私は福祉業界で適応障害や休職、復職を経験して、これは飄々と軽々と生きていけるんじゃないか?と学んだことや思ったことをコツコツお届けしたいと思います。
今回は以前も書いてみた対人関係療法(IPT)で基本にある考え方を今回は書こうと思います。
「自分でできる対人関係療法」より、対人関係療法の視点からコミュニケーションを考えたり、対人関係を減らすとうつ状態は良くなることもあるという観点を教えてもらいました。
対人関係療法の基本にある考え方
「多元モデル」を採用(病気の原因は1つではなく様々な原因がある)
- 精神科的障害は、遺伝、パーソナリティー、早期の人生経験、ときの社会状況、直面している個人的ストレスなど、さまざまな要因の結果として起こってくる。
- 病気の原因については何の仮説も立てていない。
→「対人関係が原因で病気が起こる」とは考えない。ただ、対人関係と病気は要因があるよと考える。
障害は、社会的役割と精神病理との関係は双方向で生じるもの
- うつ病の発症のきっかけを見ると、そこにはほとんど必ず「対人関係上の状況」がある。
- その後の経過も、現在進行中の対人関係に大きな影響を受ける。
- 病気も対人関係に影響を与える。
→病状そのもの、病気によるコミュニケーションの変化、社会的機能障害などが、身近な対人関係に与える影響は大きい。
・私は当時結婚していたパートナーが先に適応障害になり、私も1年後にかかりました。病気によるコミュニケーションの変化は私も相手も少しずつありました。
目指すこと
- 「症状と対人関係問題の関連」を理解し、対人関係問題に対処する方法を見つけることによって症状に対処できるようになること。
*対人関係療法と認知行動療法はうつ病の対応にあてがわれている。また、2つの両方を実施した結果と効果があることがデータによって証明されている。 *「関連」対人関係はどちらが悪いということはなく、両方とも真実。どちらも一部しか見ていないので「こっちが悪い」となる。
・この状態に気づくのは関係性が壊れた直後に私は気づきました。「相手にも原因があるけど、関係性を続けていた私にも原因ってあるよね?」となんだかスーッと閃いていました。そのため、相手を責め続けて恨み辛みの感情が積もりすぎることはなかったのが1つ救いでした。
対人関係がストレスを溜める
対人関係とストレスの関係
私たちは対人関係によって心の状態を左右されている。
→うつ病の女性の受診前6ヶ月の出来事として最も多く報告されたのは夫婦間の問題だった。
なぜ対人関係が心の健康に大きな影響を与えるのか。
→「自尊心」がキーワードでは。
- 自分を大切にする気持ち、自分の存在を肯定する気持ち
- 自尊心に問題を抱えると
「自分なんて生まれてこなければよかった」
「自分なんて生きていくに値しない人間なのだ」
→心の問題を抱えやすく、心の病気になりやすい。
・私は物心ついた頃から、自信があり明るい人が別世界の人に見えて仕方がありませんでした。「なんでこんなに明るく自信を持てるんだろう?」「自分って大した人間じゃないのに、自信なんて持ってないよ。っていうか自信ってなんで持ってるの??」という考えがスタンダードでした。
→「自尊心」がうまく育つためのポイント 例えば ・存在を他人に認めてもらう ・努力を他人に評価してもらう ・試行錯誤を許してもらう (「失敗してもいいんだよ」「失敗してもあなたの価値は落ちないんだよ」) *ほとんど対人関係に基づくものであり、対人関係がとても密着している。 *自尊心は人間関係で育つ
対人関係とストレスの関係
私たちの健康を支えているもの+睡眠+栄養
- 自分の存在がどれだけ人に取って意味のあるものか
- 自分の気持ちをどれだけ他人に受け入れてもらえるか
- 自分が困った時にどれだけの人に助けてもらえるか
- 自分の自然な姿を見せても大丈夫な相手がどれほどいるか、など
心の悩みは、対人関係にも影響を与える
- 落ち込んでいると、他人に細やかな関心や愛情を向けられない
- 他人の何気ないひとことを非常にネガティブにとらえがち
- 落ち込んで思うように活動できない人を見て、まわりの人は非難を向けることもある「怠けているのではないか」「やる気がないのではないか」
- うつ病の人が、周りの人を落ち込ませたり、不安にさせるというデータもある
・こちらはどちらの立場も経験があります。私が周りを落ち込ませる空間になることもありましたし、落ち込みを受けすぎてしまうこともありました。HSP気質だと共感力が働き、より影響を受けやすいなと感じます。今は人の話の聴き方や、対人援助の境界線の引き方を知識と実践で身につけてきたので、影響を受けつつも、気づいて対処することができてきたかと思います。
対人関係とストレスの関係は、両方向性(円環的)で密接なもの
- 対人関係がストレスの原因になる
- ストレスによってつくられる心の状態が、さらに対人関係をゆがめる
*幼少期体験に自尊心が育っていないと休職しやすい。親に対してビクビクしていると、他者に対しても同様に思う。弱みを見せられなくなる。
・こちらは当てはまりすぎて耳が痛かったです。小学校へ上がった初日から追いかけられたり付けられることがあり、誰かと一緒に帰宅していました。常に何か悪いことが起きるんじゃないか?とビクビクしていました。
「重要な他者」とは?
すべての対人関係が同じように重要なわけじゃない
- 「相手とわかり合うことが心の健康に大切だ」ということをすべての人に当てはめると、かえって疲れ果てて心の健康を損ねてしまう。
・社会的機能としてもっとも理想的なのは、図のように分布する対人関係をもっていることだといわれている
- もっとも親密な関係(重要な他者)配偶者・恋人・親友など
- それなりに親密な関係 友人・親戚など
- その他 職業上の対人関係
「重要な他者」
その人に何かがあったら自分の情緒にもっとも大きな影響を与える相手
*人間関係のメンテナンスに重きをおくのは、重要な他者にする。
*何かあった時のダメージが自分にふりかかってくるから、逆にその他、特に職業上の関係は不安定なのでエネルギーを使わないほうが良い。
カゾクさんとシゴトさんのケース
カゾクさん 忙しい仕事の中でも、家族との時間を大切にして良好な関係を作ってきた。リストラされたことを妻に話すと、「しばらくは休みながら、一緒にこれからのことを考えていきましょう」と温かく受け入れられた。 カゾクさんは、リストラされたことで自分がだめな人間になったような気がしたし、妻も自分に対していらだっているのではないかと思っていた。それを妻に話すと、「仕事がないのはつらいでしょうね。でも、私にとってのあなたは全然変わっていないのよ」と言われたため、気持ちを楽にもつことができた。
シゴトさん 「男は家庭よりも仕事を優先させるべきだ」という考えのもと、妻が病気になった時も接待ゴルフを優先させたし、家にいるときもほとんど家族と交流せずに暮らしてきた。子どもの教育のことなどを相談しても「それはおまえに任せたはずだ」としか言わないシゴトさんに、妻も多くを期待しなくなり、「まあ、お金を運んでくれるから」というくらいの存在として考えるようになった。当然、子どもたちも父親をそんな目で見るようになった。 そんな家族関係のため、シゴトさんは、リストラされたということを家族に打ち明けることができずに、スーツを着て、カバンを持って、家を出る生活を続けた。ハローワークに行ったあとは公園で時間をつぶす、という状況が続き、そんな自分がますます情けなく思え、やがてうつ病と診断される状態に陥った。 参照「自分でできる対人関係療法」より引用。
こころの健康と対人関係
仕事上の問題が起こったとき、それが原因で心を病むかどうかのわかれ道となるのは、身近な家族との関係であることが多い。
それぞれの親密度の対人関係をバランスよくもっていることが、心の健康を支える。
こころの健康のためには、親密度が高いほど、対人関係を良好に保つよう努力しなければならない。
- 親密度の高い対人関係ほど、心に与える影響が大きくなる
- もっとも重要なのが「重要な他者」との関係
*根本的なところ、重要な他者を作りストレス耐性を強くする! *会社は理不尽なことが多い、組織を作りかえないとならない。そんな労力は一人の力ではできないため、重要な他者をつくっていくことの方が現実的。
最後に
自分の幼少期体験、家族との関係、今までの人間関係の構築の仕方を思い出すきっかけになる回です。私も苦い気持ちを思い出しつつ、書いています。次回は対人関係の質のチェックについて書きたいと思います。
この記事が何かのお役に立てたら幸いです。また次の記事でお会いしましょう。
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