交流分析やりとり バリエーション

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リワーク(復職支援)での学び

こんにちは、ヒョーかるです。私は福祉業界で適応障害になり休職、復職を経て、週末は借りている畑の世話をしながら現在も同じ業界で働いている30代です。

今回は相補交流(平行交流)、交叉交流、裏面交流のバリエーションについて書きたいと思います。

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平行的やりとり(相補交流)のバリエーション

自我状態の名前

PはParent(親の立場)AはAdult(成人、対等な立場)CはChild(子どもの立場)です。

1つ前の記事の例では、同じ自我状態のA⇄Aを出しましたが

P⇄P同士は

P「A君の実績は全く伸びていないじゃないか」

P「まったく、やる気が感じられないですね!」と互いに第三者を批判し合っている評論家モードとして成り立ちます。


C⇄C同士は

C「今日あたり、みんなで飲みに行こうよ」

C「いいね、そうしよう!」と楽しみや喜びなど、感じたままを交換する対等な関係として成り立ちます。

*ここではFC同士の会話であり、ここから例えば具体的な飲みに行く場所を決める方向に持っていく場合は、FCで受け止めてからAで返すとワンクッションになり違和感が和らます

次は自我状態が異なるバリエーションを見ていきます。


P⇄C

P「遅いじゃないか、もう20分も待ったよ」

C「すみません、道路が混んでしまって、それで…」とP→Cは目上から目下に強い調子で言うような場合。C→Pは言い訳や謝罪など下から目線の言動。


P⇄A

P「夕方の道路は混むから、急ぐときは電車にするといいよ」P→Aは相手を大人として扱い、方法を教えたり提案する。

A「わかりました」P→Cは納得する、了解する。


P⇄C

P「忙しい中、がんばったようだね」P→Cは相手の気持ちを理解したねぎらいの言葉。

C「ええ、おかげで目標達成しました」C→Pは気持ちを理解してもらった返礼。

交叉的やりとりのバリエーション

P→P「今年の新入社員は出来が悪いな」第三者の批判に対して

P→C「バカ言うな、彼は社長の息子だよ」はその批判をたしなめる。


P→C「俺の言うとおりにすればいいんだ」言う通りにしない部下を叱っている。

A→A「冷静に状況を見てください」部下は冷静に上司をたしなめている。

*ここでもACで「はい、仰る通りですね」と受け止めてから、Aで「ですが、状況を見てください」とワンクッション入れて返していくと違和感が和らぎます。


C→C「疲れたなー、休憩にしようよ」同僚の誘いに乗らないで

A→A「きりのいいところまで仕上げてしまいましょう」計画通りに作業を進めるように促す。


P→C「お前が時間を間違えたから遅れたんだぞ!」

P→C「なによ、時間のことなど気にしなかったくせに!」とお互いに相手の欠点をけなし合っているような場合。


C→P「小遣いが足りないんだ。なんとかしてぇ」

C→P「それどころか家計がピンチよ、なんとかしてよ~」と依頼する、頼るような場合。


P→P「部長の方針は、実態に合っていないね」は第三者を批判するが

C→C「お前、そんなこと言える柄か?」は冷やかすように打ち消している。



裏面的やりとりのバリエーション

裏面的やりとりとは、表面のメッセージ(建前)の裏に心理的メッセージ(本音)が隠されているやりとりで、(実線と点線で書きます。)裏面的やりとりは平行的なやりとりのように見えますが、あとになって「隠された部分(本音)」が表面化して問題をこじらせてしまうことが多いものです。相手の本音(裏面のやりとり)に気づき、何を言ったかではなく、何を言おうとしているかに気づき、後者に対処すれば事無く過ごすことも可能ですが、察することにも限界があります。相手の本音に気づくと同時に、半ば無意識的に発信している自分の態度、気持ち(本音・本心)などにも気づく必要があります。


P→C「無理を言ってすまないね」本音はA→Aで(今日中に仕上げてほしい)のです。

A→A「もうひと頑張りです」

表面では相手をねぎらっているが、裏面では仕事を督促しているのです。


A→A「今日も残業しますか?」本音はC→Aで(早く帰りたいんですか…)と伝えたいのです。

A→A「約束があるんだね」

表面は協力的に見せて、裏面では残業できないことを伝えています。


A→A「隣はいい車を買ったね」本音はC→Pで(うちも車を買おうよ)とお願いしたいのです。

P→C「うちはとても無理ね」バッサリ

隣の情報を伝える形をとって裏面で要求してみたが、見抜かれて断られている。


A→A「隣はいい車を買ったね」本音はP→Cで(あなたには買えっこないわね)

A→A「ドイツ車だね」本音はC→Pで(俺は甲斐性なしだからな)

表面は単なる情報交換をしているが、隠された交流はこじれた対話をしている。


A→A「このPCまた故障したよ」本音はP→C(ちゃんと修理しなかったろ)

A→A「わかりました、至急直します」本音はP→(使い方が乱暴なんだから)

表面ではビジネスライクな会話をしているが、裏面では責任のなすりつけ合いをしている。


A→A「親元を離れて独立します」本音はC→P(援助してください)

A→A「一人前になるまで頑張りなさい」本音はP→C(心配するな、援助するから)

表面は体裁のいいことを言っているが、裏面では自立できないことを認め合っている。


A→A「今夜、打ち合わせしようか」本音はC→C(一杯飲みに行こうか)

A→A「そうしましょう」本音はC→C(いいですね)

表面は仕事にように見せかけて、実は飲みに行く誘いをしている。

最後に

いかがでしょうか。見覚えのある、聞いたことのあるバリエーションがあったと思います。

特に裏面交流は「察するアンテナ」が備わっていてフォローしあえる交流になる場合もあります。反対に備わりがすぎて(妻と夫)のように険悪な空気や感情を受け取りすぎてしまい、より関係が悪化する場合もありますね。私はこの裏面交流を受け取る能力で、特にAで発信されたことに対してはAで受け取ってしまうため、隠されたメッセージに気が付きにくいです。

こうやって人の対話がこのように交わされていることがわかると、「今、どういう意味で言った?」と一旦置いて考えることが私はできました。こじれる前に相手の意図を確認できる技術だなと感じました。

この記事が何かのお役に立てたら幸いです。また次の記事でお会いしましょう。

参考図書
職場に活かすTA 実践ワーク 人材育成、企業研修のための25のワーク 畔柳 修 金子書房

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