こんにちは、ヒョーかるです。私は福祉業界で適応障害になり休職、復職を経て、週末は借りている畑の世話をしながら現在も同じ業界で働いている30代です。
今回は、こちらもリワーク(復職支援)で印象にとても残った、キャリア理論「キャリア・アンカー」について書いていきたいと思います。
キャリア・アンカー
エドガー H .シャインという心理学者が提唱したものです。初めてきいた用語でした。キャリアというと「職業や年数、経験内容」と仕事面での言葉が一般的に浮かぶと思います。私もそのようなイメージでした。リワーク(復職支援)ではキャリアの語源を「荷車・わだち」知り、キャリア・アンカーを「自分は何を重きにおいて仕事をしているのか」を調べるものとして教えてもらいました。アンカーとは海で船を海上で停泊させるための錨のことです。
キャリア・アンカーの種類は以下の8つです。
1、専門・機能別コンピタンス(TF) ある領域に関して、才能を発揮し、専門家(エキスパート)であることを自覚して満足感を覚えます。 2、全般管理コンピタンス(GM) 組織の段階をあがり、責任のある地位につき、組織全体の方針を決定し、自分の努力によって組織の成果を左右したいという欲求を持ちます。
3、自立・独立(AU) どんな仕事に従事しているときでも、自分のやり方、自分のペース、自分の納得する仕事の基準を優先します。 4、保障・安定(SE) 安全で確実と考えられ、将来の出来事を予測することができ、しかもうまくいっていると知りつつゆったりとした気持ちで仕事ができることを望みます。
5、起業家的創造性(EC) 新しい製品や新しいサービスを開発したり、財務上の工夫で新しい組織を作ったり、新しい事業を起こしたりする欲求を持ちます。 6、奉仕・社会的貢献(SV) 何らかの形で世の中を良くしたいという欲求に基づいてキャリアを選択します。
7、純粋な挑戦(CH) 不可能と思われるような障害を克服すること、解決不能と思われていた問題を解決すること、きわめて手強い相手に勝つことに「成功」を感じます。 8、ライフスタイル(LS) 個人のニーズ、家族のニーズ、キャリアのニーズをうまく統合させた生活様式を実現することを望んでいます。
この8つは「キャリア指向質問表」で点数として測ることができます。
キャリア・アンカーの質問は一人一人の人生観でもあります。そして心身の不調が出ている時は点数が低い状況に置かれていることがあります。
社会人で働いてみて、自分に何ができて何が出来ないのかを知るには1~2年はかかると思います。年数を重ねていくと得手・不得手が見えてきます。感覚が掴めてきて、このキャリア指向質問票を1年に1回やってみると仕事でクリア可能な自分の課題や不向きな課題が見えてきます。
職業人の自分自身を知る大切なスケールだと感じました。そして「出来ない部分は点数が低いから」「何なくこなしていけるのは点数が高いから」と自分自身に納得が出来ました。
キャリア指向質問票をやってみて
私は2018年に行った8つの分類だと1、6が一番高かったです。専門性を社会貢献にすることは自分の強みであり、やりたいこと、得意なことです。そして2021年は3が一番大きく、6と8が次に同点でした。変わるものなんですね。
今、このように文字を打ってブログとして伝えることが1つの私の一歩であり、微力な行動です。積み重なっていきたい、その先に何かが見えてくると思うので、30代からの働き方を見直していきたいと2021年から強く思いました。転職の本や人を管理する技術の本、読んで自分にフィットすることを実践し、トライ&エラーをしてきました。
1年前はただ転職したいだけでしたが、今は「自分の経験を形にするために時間が欲しい。週4日に勤務を変更して、自分の仕事を作っていきたい」と明確に景色が見えてきました。
ライフ・キャリア・レインボー
こちらもエドガー H .シャインという心理学者が提唱したものです。子供、学生、余暇人、市民、労働者、家庭人と人生の役割の総合的に捉えたものです。人生を虹に例え、各役割が同時に存在していることを示しています。
どの役割が長い、短いも見えますが、30代では家族を築きあげる役割が始まる、60代では夫婦と地域の役割が濃くなる、という将来の見通しが見えてきます。
漠然とした不安は抱えるものですが、この年代ではこういう風になっていたいな、この年代に備えておきたいなと考えていくきっかけになっていくものでした。
最後に
これから働いていく10代〜20代~そして30代はこのレインボーのモデルが通用しない社会になります(終身雇用の終焉、年功序列制度廃止、年金支給開始日引き上げなど)。自分と向き合って新しいレインボーを描いていくことがこれから大切になると感じます。
キャリア・アンカーを知ったこと、ライフ・キャリア・レインボーで職業人と言葉を知ったことが将来を考えるきっかけでした。
気がついて走り始めたばかりですが、この記事が何かのお役に立てれば幸いです。
また次の記事でお会いしましょう。
参考図書 ・「新版 キャリアの心理学」 渡辺三枝子編 ナカニシヤ出版 ・「キャリア・ダイナミクス」 エドガー H. シャイン著 二村敏子・三善勝代 訳 白桃書房 ・「キャリア・アンカー 自分のほんとうの価値を発見しよう」エドガー H. シャイン著 金井壽宏 訳 白桃書房 ・「よくわかる 産業・組織心理学」山口裕幸・金井篤子 編 ミネルヴァ書房
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