エゴグラムを用いて自分を変えてみる

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リワーク(復職支援)での学び

こんにちは、ヒョーかるです。私は福祉業界で適応障害になり休職、復職を経て、週末は借りている畑の世話をしながら現在も同じ業界で働いている30代です。

「エゴグラムは変わっていく」の記事でエゴグラムについて書きました。自己理解と自己改革のためのツールです。今回は私がエゴグラムを改革する(変化させる)ために行ったことを書きたいと思います。

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自我状態の構造図

日本交流分析学会 交流分析とは 参照

人間は日々の出来事や自分の反応にこの自我状態がコロコロ目まぐるしく変わりながら過ごしています。これを自我状態の移行と言います。

例)Aさんは交通量の激しい道路で車の運転をしている。彼女のまわりの車の位置やスピードに、一瞬一瞬注意を払っている。道路標識にも注意している。〈今、ここ〉で何が起こっているかに合わせて、彼女は車を運転している。Aさんは「大人」の自我状態にいるのである。

 次にAさんは前方にいるドライバーが猛スピードで遠ざかっていくのを見ながら、首を降って批判的に口をすぼめ、同乗者に向かって「ああいうドライバーに、路上で運転する許可など与えるべきじゃないわ!」と言う。この瞬間、Aさんは「親」の自我状態に移行した。

 数分してAさんはオフィスに着いた。時計を見ると、ひどい渋滞のために、上司との大切なミーティングに遅れているのに気づく。彼女の気持ちは落ち込み、一瞬パニック状態になる。今、Aさんは「子ども」の自我状態に移行したのだ。

とこんなように目の前の出来事やコミュニケーションに対して、自我状態が目まぐるしく変わっているのです。そして、親の反応をしている時は、親がそうしていた姿を見て育っているため自分も同じ反応をしています。子どもの反応をしている時は、子供時代に起こった記憶を思い出して同じ反応をしています。

エゴグラムを用いた自己改革

方法

→目標をはっきりさせる

 ・現実のエゴグラムの上に「こうありたい」と望むエゴグラムを描いてみる。

 ・一般的にNPとFCを高くして、ACをそれより低くする方向に目標を定めるのがよいとされている。

→高いところを縮めるより、低い部分を伸ばす

 ・主導権を握っている自我状態を無理に縮めようとしても、実際にはうまくいかない。

 ・心的エネルギーの量は一定→ある部分を伸ばすと他の部分のエネルギーの給付は減っていく

→抵抗に気づく

 ・行動、人格の変容には、抵抗がつきもの→変わるべきだが、変わるのは苦痛だから嫌だという葛藤

 ・変容を妨げるのはたいてエゴグラムの一番高い部分→その部分と望ましい自我状態のジレンマに焦点を合わせて取り組む。



実際、私が取り組んだこと

私の場合

私は燃え尽き症候群(バーンアウト)であったため、「NPを認識するAを高めるとバランスがとれて、バーンアウトを起こしにくくなる。Aをバランスよく使うことが大事」とリワークの臨床心理士さんに教えてもらいました。

そして、仕事モードとお休みモードを分けずに同じモードで過ごしてしまうとストレスがかかるため、仕事モードとお休みモードをわけた方がいい。FCとACは仕事以外で高めるといいよとアドバイスを受けました。

ACよりFCが一番低かったため、講義が終わってからAとFCを高める行動と言葉を自分用にまとめて、復職後に取り組めるよう準備しました。

FCとAを高める行動でやったことがないことを挙げていきました。

FCを高める

言葉行動
「やってみよう」不快感に多くの時間を費やさない
「~と感じる」芸術を楽しむ
「おいしいですね、きれいですね」娯楽を楽しむ
「楽しみましょう」楽しい気分に浸る
「それは面白そう」

特に意識して取り組むことが必要な言葉「私も仲間に入れて下さい」

Aを高める

言葉行動
「もう少し詳しく説明してください」ものごとを分析し、そこに何らかのルールやパターンがないかを調べる(行動分析)
感情が高まったとき「少し考えさせてください」自律訓練法、沈黙などリラックスして冷静になる訓練
「~ということですか?」言いたいこと、したいことを文章にする
「何が問題なのですか?あなたの一番言いたいことは?」同じ状況で、他の人ならどう考え、行動するか考える
「どこをどう変えたいのですか?」

特に意識して取り組むことが必要な行動「結末を予測して、問題全体をみる(全体的、統合的思考)

その後にFCやAを妨げる言葉や態度・行動でやっていることを抜き出しました。

FCの成長を妨げる

言葉態度・行動
「ああ、憂鬱」ラケット感情に浸る
「悲しい、淋しい」壁をみて考え込む
「イヤになる、つまらない」不幸を状況のせいにする
「もういいです」受身的姿勢
繰り返し「すみません」楽しむことを避け、愉快な仲間に加わらない
「仕方がない」人生と人間の明るい面を見ようとしない

Aの成長を妨げる

言葉態度・行動
「はい、でも…」新しいものごとに関心をもとうとしない
本を読まない、ニュース解説、社説などに無関心
復習、反省をほとんどしない
情報に対する閉鎖的態度

行動⇄認知⇄気分や感情⇄体 

なぜこのような細かな行動や態度、意識することをやっていくのかというと、人間は環境に影響される面もあります。環境だけではないのです。

行動⇄認知⇄気分感情⇄体

と相互作用しています。

このどこかを変えると相互作用の輪にも影響して変化することになります。

自我状態を分析して行う自己改革は「行動」「認知」を変えることで「気分・感情」「体」を変えていけます。

そして始めにおとずれるのは「抵抗」です。

NPが高い私は「そんなことやって何が変わるの?」「楽しんじゃって、大丈夫なの?」「自分中心に考えて迷惑かからないの?」と養育的な親が小言のように出てきました。

「変わることへの葛藤」と知っていたため「ここは自分を変えるための壁なんだ、踏ん張れ」と思って日々過ごしました。そして3年後にAが高まり、CPとACがグーンと減る変容になったのです。

変わってみて

まだできていない部分もあるのですが、おそらくその部分は変えられない部分でもあるんだろうなと思いました。

私は4人以上の集まりだと「多いな」と感じてしまい、慣れてない人間関係だとより楽しめなくなります。気心知れた仲間や親友とは楽しめます。FCを高めるにも限界があり、ここはHSP気質が当てはまるのかも知れません。

結末を予測して、問題全体をみる(全体的、統合的思考)はやはり頑張らないと出来ない部分で、人やものを管理することは向いていないなと実感しています。キャリア・アンカーでも一番低い全般管理コンピタンス(GM)に当たるのかも知れません。

出来ない部分だけでなく、むしろ習慣化して身についたものが多くありました。

表に挙げたFCを高める言葉や行動はできるようになりました。同じく表に挙げたAを高める行動や言葉もほぼ使えるようになり、自律訓練法つまりマインドフルネスや言いたいこと、したいことを文章にするは朝のルーティンとなりました。

自我状態の値が変わらなくても、自分ができるようになった、いつの間にか身についていたと気がつけたことが大きな成長でした。

この記事が何かのお役に立てたら幸いです。また次の記事でお会いしましょう。

参考文献
・「TA TODAY 最新・交流分析入門」イアン・スチュアート、ヴァン・ジョインズ 深沢道子 監訳 実務教育出版
・「交流分析入門:桂戴作、杉田峰康、白井幸子 チーム医療
・「交流分析とエゴグラム」新里里春、水野正憲、桂戴作、杉田峰康 チーム医療

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