状況に応じたアサーティブな表現方法(1)お願いする・「ノー」と伝える

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リワーク(復職支援)での学び

こんにちは、ヒョーかるです。私は福祉業界で適応障害や休職、復職を経験して、これは飄々と軽々と生きていけるんじゃないか?と学んだことや思ったことをコツコツお届けしたいと思います。

以前「アサーティブになること」というタイトルで記事を上げました。

この記事に対して、今回は具体的にどのような場面で使うことができるのか、書きたいと思います。

※この記事は「アサーティブな話し方・伝え方」森田汐生著 現代けんこう出版より引用しています。

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あなたにも潜む3つのキャラクター

大きく4つのキャラクターがあり、紹介していきます。

おこりキャラ

・威圧的で相手を一方的に責める。

・理詰めで追い込み「ノー」と言わせない。

・自分が絶対正しいと考える。

・怒ると感情的になり、言いすぎてしまう。

ひるみキャラ

・なかなか意見が言えない。

・波風を立てるぐらいなら自分が我慢する。

・頼まれると「ノー」と言えない。

・相手の感情を害することを恐れる。

いやみキャラ

・直接伝えず、まわりくどい表現やいやみな態度で察してもらおうとする。

・罪悪感を持たせて、相手をコントロールしようとする。(モラルハラスメントの時はこれ)

※モラハラへの対策はアサーティブな態度。アサーティブはモラハラと反対のこと。

※瞬間的には迫力を発しているけれど、長期化するとひねくれ者になって、更に強い作為的な面が必要になる。

さわやかキャラ

・自分も相手も尊重しながら「自己主張」をし「対話」ができる。

・攻撃的になることも卑屈になることもなく「適切」に表現する。

的を絞って率直にお願いする

仕事が立て込んで、自分だけで抱え込む状況が続くと、心身ともに疲れ果ててしまいます。燃え尽きて体を壊すことがないように、自分が今できることと、できないことの範囲を見極めて、周りの人に上手に仕事を頼むこともときには必要になります。

【事例1】
毎日残業が続いているAさん。同僚のBさんは仕事を終えて帰ろうとしています。AさんはできればBさんに手伝いを頼みたいと思っています。

おこりキャラ

「暇なんだから、少しくらいやってよ」と強引に押し付ける。

 ひるみキャラ

「頼むなんて悪いし、仕方ない自分でするか」とため息をついて一人で残業する。

 いやみキャラ

「あー忙しい。早く帰れる奴はいいよな」とBさんに聞こえるように言う。

さわやかキャラ

「Bさん、お願いしたいことがあります。今週は面接と会議、出張などの業務が重なってしまい、来週の講座の準備をする時間がほとんどありません【ポイント1】

それで、本当に困っているんです。お願いするのはとても申し訳ないのですが【ポイント2】来週使用する資料の準備と印刷を手伝っていただけないでしょうか【ポイント3】」

さわやかキャラの依頼の仕方はいかがでしょうか?状況が明確で困っていることや手伝ってほしいことが具体化されていると感じました。

率直にお願いするポイント

心の中で3つのポイントを整理してから伝えましょう。

【ポイント1】今起きている状況を客観的・具体的に説明する。
状況をなるべく具体的に簡潔に説明します。主観やあいまいな表現は避けて客観的な事実を述べます。
例えば「君は提出が遅い」は主観です。客観的な事実は、「提出期限を過ぎたことが2ヶ月で3回あった」になります。
※具体的な言葉にすることは、状況説明においても、要望を伝える上でも大切なことです。

【ポイント2】自分の感情をシンプルに言葉にする。
感情的になることなく、相手を責めずに、自分の気持ちを落ち着いて言葉にします。

①話し始めの気持ちを言葉にする
「実はとても言いづらいのですが」
「お断りするのは本当に申し訳ないのですが」

②自分の状況について自分が感じていることを言葉にする。
「このようなことが続くことを、私はとても心配しています」
「連絡が取れないことがあって、大変困っていました」

【ポイント3】具体的な要望を率直に伝える。
要望を伝えるには「的を絞って具体的に話すこと」「現実的で実現可能な内容にすること」が大切です。必要であれば代替案も加えます。
【事例1】であれば「来週になれば私も一息つけるので、来週のBさんの分で私ができるものは代わりに担当します」などです。

具体的でない言葉

✖️ちゃんと、きちんと、しっかり

✖️もっと早めに、もっと前向きに

✖️責任を持って

✖️なるべく

✖️できるだけ

例えば…部下に進捗状況の報告をしてもらいたい

「ちゃんと報告してほしい」(要望を具体的にすると)

→「1週間に1回は、進捗状況を報告してほしい」(もっと要望を具体的にすると)

→→「毎週月曜の朝、進捗状況の報告をプリントアウトした上で、15分程度口頭で説明をしてください」

私もこの事例と同様のことを取り組んだことがありました。やってみると相手もどのタイミングに行うのかわかりやすいですし、自分も覚えています。

相手によっては積極的に週1回以上の報告や相談をしにくる人もいますが、相手の生まれた時代背景や前職での仕事スタイル、受け取り方の差異や処理能力によって、この通りにやっても相手によっては反応がないこともあります。具体的にやることを伝えておくことは、相手と自分の差異を縮めるためにもやって損はないです。

反応が芳しくない場合は手を変えてみます(忘れているため自分から進捗を訪ねる、要望をステップに分解して伝える「まず月曜の朝に報告してね」)それでもダメなら相手には伝わらなかったんだ、と私の場合は待ちます。こちらはやってほしいことを具体的に伝えるだけ伝えたのでね。



気まずくならない上手な「ノー」の伝え方

「断ることが苦手」という人は多くいます。しかし「ノー」が言えないままの状態が続くと、ストレスにより体を壊してしまうかもしれません。また、誰かに頼まれた仕事を断れずに処理できなくなれば、かえって迷惑をかけ信用を失うことになります。相手にも自分にも誠実な態度であるために、適切に「ノー」と伝えるようにしましょう。

【事例2】
取引先の社長から「ぜひ参加しませんか」とあるセミナーの誘いを受けました。無理をすれば参加できますが、年度末で仕事が立て込んでいてスケジュールの調整が難しい状況です。

おこりキャラ

「この時期忙しいんで、無理ですね」とはっきりきっぱり断る。

ひるみキャラ

「そうですか…面白そうですね…いつですか」と聞いて、結局行く羽目になる。

いやみキャラ

「いやあ、この忙しいときに出かけると上司に何を言われるか」と言ってやんわり断る。

さわやかキャラ

「誘っていただき嬉しいです。ありがとうございます。【ポイント1】

年度末の3ヵ月間は、スケジュールの調整が大変難しい状況なので、申し訳ありませんが、今回はお断りさせてください。【ポイント2】来年度初めでしたらぜひとも参加したいので、同様のセミナーがありましたら、またお声掛けください。【ポイント3】」

上手に「ノー」を伝えるポイント

断っている対象は「要求」であって、「相手」そのものではなことを意識しましょう。今後もより良い人間関係を続けたいからこそ、言うべき「ノー」があります。

【ポイント1】相手の善意に感謝する、相手の立場を理解する。
「それは無理ですよ」や「だめです、行けません」と結論だけを言うと、攻撃的な「ノー」になってしまいます。
まずは「ご招待いただき、大変ありがたいと思っています」など、相手の顔を見ながら善意や厚意に感謝するところから始めます。

例えば…取引先から食事に誘われた。
「お気持ちは大変嬉しいのですが、まだ仕事が残っておりますので、今日は失礼させていただきいます」

【ポイント2】何に対する「ノー」なのか、理由を明確にする。
相手の要求や誘いの何に対する「ノー」なのか、「ノー」の的を絞ります。
日程の問題なのか、テーマなのか、場所なのか「ノー」の的を絞って率直に理由を伝えます。理由を明確にすることができれば、相手の理解も得やすくなります。

例えば…急な残業を頼まれた。
(今夜中でなければならないならNo)
(明日の始業までに仕上がっていれば良いならYes)
できないことのラインを決めることは「どこまではできる」ということと表裏一体です。自分できること、できないことは何なのか考えた上で、自分のイエスとノーの境界線を引きます。

【ポイント3】代変案を示す。
今忙しいのであれば、いつになったら参加できるのかなど、問題解決に向けて建設的な提案をします。代変案を示すことで、話が前向きに進みやすくなります。

※「断ってはいけない」と言う思い込みを少しずつ減らす。

私たちが必要以上に仕事や責任を負ってしまうのは「自分がやらなければいけない」「ノーと言うことは能力がないことだ」などど、自分で思い込んでいるときです。不必要な思い込みは、少しずつ減らしていきましょう。

※断る目的は問題を解決すること。

アサーティブに断る目的は「ノー!」と言い切ることではありません。アサーティブに「ノー」と伝えるときは、断った後の関係が、より誠実に、率直に、前向きになることを目指します。

最後に

私は休職と復職をしたこと、そしてHSP(繊細さん)の気質と知ってから、よりこの上手に「ノー」を伝えて刺激をコントロールする必要さを感じました。断る経験を詰みました。

仕事で帰り際に話しかけられた時は相手の話を聞いてから「明日行っても間に合いますか?」「~日の~時なら空いてます」と返答する経験を積みました。

プライベートの予定も「~時までなら参加できるよ」と先に伝えることもしてみました。そうするとお互い無理なく「~時に~でお願いします」とより具体的に予定が決まったり「私も~時までなら」と相手も予定を開示してくれることにつながり、見通しが立っていきました。

「ノー」と言うことは、相手と自分が心地良く仕事や楽しい時間を過ごすためにも必要なことなんだなと感じています。

次回はダメ出しと批判された時についてを書きたいと思います。

この記事が何かのお役に立てたら幸いです。また次の記事でお会いしましょう。

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