トランジション

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リワーク(復職支援)での学び

こんにちは、ヒョーかるです。私は福祉業界で適応障害になり休職、復職を経て、週末は借りている畑の世話をしながら現在も同じ業界で働いている30代です。

キャリア・アンカーの項目で私が今も心に残っている内容があります。それはトランジッションです。

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トランジションとは

意味は「移り変わり、移行、過渡期、変わり目」キャリア分野では「転機、節目」と訳されるそうです。「今までのやり方を少し変えなくてはならないような出来事」まさに休職、変える時なのです。

特に「中年期の危機」と小此木啓吾さんが挙げられた「上昇停止症候群」という内容に深く注目しました。

青年期以降自分なりに努力し、満足と生き甲斐を見出しながら暮らすための前提であった「年齢とともに地位も、収入も上がっていき、社会的な力も高まり、家庭も豊かになる」という右肩上がりの思い込みが幻想に過ぎないのではないかという現実を突きつけられ、これまでの信念が破綻することによって生ずる心身の症状を指す。

残りの人生で、自分にしか出来ないことは何なのか、どう望んでももはや出来ないことは何なのか、これらの問題を見つめることは中年期の大きな課題である。

そして、どれほど努力したところで、実現が不可能なこともあるという現実を静かに受け入れることも要求するされる。厳しいことではあるが、これも中年期の大きな課題の一つとなってくるのだ。

なかなか辛い壁です。

何故これに注目したのかというと、当時結婚していたパートナーがこの年代に当てはまっていました。自分を見つめ直す作業が必要な時期だった。だから今までのやり方で働いても続かない、うまくいかないループに入っていたんだなと。この内容を知って理解したんです。知っていたら相手を理解し、歯車が変わったのかなと思うことがありました。

辛いけれどトランジションに差し掛かったら「人生の総括」をしてあげること。不完全にしてしまうと次がうまくいかなくなるとリワークの臨床心理士さんから教えてもらいました。

トランジションの段階「人生の総括」

1、「~~として働いていた」「~~として暮らしていた」とそれまで自分を位置付けていた文脈からの「離脱」
2、それまでの自分の「アイデンティティの喪失」
3、自分を取り巻いていた世界がもうそれまでのようではないことへの「幻滅」
4、「自分はどうなるのかな…」とそれまでの将来に関する計画や感覚が失われる「方向感覚の喪失」
5、「自分の働き方、暮らし方はどうだったかを振り返る」求められることは一時的な喪失感に耐えること。喪失に伴う空虚な感覚を受け入れるしかなく、何も生産的なことをしていないような感覚があるが、自己の内面世界に向き合う段階。
6、「今までのパターンでやるとうまくいかなくなった。それに気がつき、方法を変える」1~5までの段階を通して実現される、「内面の再統合」によって始まる。

私も仕事と家庭環境で休職することになり「今までの生き方、働き方の見直し」の時期に立ち向かいました。この1~6の段階を1つずつ少しずつ向き合った印象があります。

初めは仕事の向き合い方。復帰してリワークで得た知識を職場で実践して、ゆっくり自分に定着させる。

処理できるようになったな、と一区切りついた1~2年後に「家庭を持ちたいのか、どんな暮らしが心地良いのか」を考える生き方、と分解するように向き合った記憶がありました。



最後に

ちなみに女性の場合、トランジションの時期は少し異なるか早まるそうです。理由は結婚・出産イベントが入り込む場合もあるからです。人によっては10代、20代、30代と時期が早まる可能性がありますね。

また、私は20代の節目にも見直さないとならない時期に差し掛かっていたなと今振り返るとありました。おそらく年代が切り替わる時がトランジションなのかなと私の場合は感じました。それがわかると「きっと何かが起こるかな」と予測しておくことができます。

この記事が何かのお役に立てたら幸いです。また次の記事でお会いしましょう。

参考図書
・「新版 キャリアの心理学」 渡辺三枝子編 ナカニシヤ出版
・「キャリア・ダイナミクス」 エドガー H. シャイン著 二村敏子・三善勝代 訳 白桃書房
・「キャリア・アンカー 自分のほんとうの価値を発見しよう」エドガー H. シャイン著 金井壽宏 訳 白桃書房
・「よくわかる 産業・組織心理学」山口裕幸・金井篤子 編 ミネルヴァ書房

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